第93回全国高校サッカー選手権大会は1月10日、準決勝の2試合が行なわれ、星稜(石川)と前橋育英(群馬)がそれぞれ勝ち、12日の決勝に進出した。

第1試合は、悲願の初優勝を目指す星稜と初の4強入りを果たした日大藤沢(神奈川)が激突した。序盤から押し気味に試合を進めた星稜は、前半20分にMF藤島がペナルティーエリア内で倒され、PKを得る。このチャンスに鈴木のキックは止められたものの、リバウンドをMF前川がゴール前に入れると、相手DFのオウンゴールを誘い、幸先よく先制した。

さらに星稜は、前半35分には左サイドを突破したFW森山からのクロスをMF杉原が押し込み追加点。同45分にはFW大田が得たPKを自ら決め、前半で3-0とした。

後半は日大藤沢が反撃に出たものの、星稜は堅守で対応。結局スコアは動かず、星稜が3-0で完勝した。星稜は2年連続の決勝進出を決めている。

第2試合は、前橋育英と流経大柏の関東勢の強豪対決。多彩なパスワークと展開力でゴールに迫る前橋育英に対し、運動量を活かしたハイプレスでスピーディーな攻守を見せる流経大柏が、ともに持ち味を存分に披露し、ハイレベルな一戦となった。

試合は、前橋育英が徐々に流経大柏のハイプレスをかいくぐり、ペースを掴んだかに見えたが、後半に入り流経大柏もシステム変更などでペースを引き戻す。そして後半27分、縦パスに抜け出した左SBの小川が左足でゴールに流し込み、流経大柏が先制した。

先制後は、流経大柏のハイプレスがさらに猛威を振るい、このまま押し切るかに思われた。しかし、終了間際の後半45分、前橋育英の鈴木がゴール前でこぼれ球を拾い、右足で叩き込み同点。試合は土壇場で振り出しに戻り、PK戦に突入した。

PK戦では、流経大柏の2人目、FW高沢のシュートがポストを叩いてしまう。これに対して前橋育英は、5人全員が成功。前橋育英がPK戦を5-4で制し、準決勝5度目の挑戦で初の決勝進出を決めた。