今オフのメジャー挑戦を視野に入れる楽天・田中将大投手(24)。先んじて海を渡った兄貴分のレンジャーズ・ダルビッシュ有投手(27)と同じ、日本球界を巣立つための“卒業証書”を手にしたようだ。
田中は16日の西武戦(西武ドーム)に先発。8回5安打1失点の快投で17勝目(0敗)を挙げた。開幕からの連勝のプロ野球記録を伸ばすとともに、昨年8月26日から21連勝という次なる新記録も樹立した。
ネット裏の一角を占める、米大リーグ各球団のスカウト陣の前で仁王立ち。ピンチでの投球は圧巻だった。初回はいきなり無死二、三塁。4回も無死二塁から1死三塁となったが、140キロに迫るスプリットフィンガード・ファストボールで無失点に切り抜けた。
「点を取られるような打たれ方はしたくなかった。内野は下がっていたけど、1点でもあげたくなかった」。ベンチは前進守備をしかず“1点はOK”の構えだったが、「先取点をやりたくない」というエースの自負から、空振り狙いの落ちる球でねじ伏せた。
これが両リーグ断トツの防御率1・20の秘密だ。統一球が昨季より飛ぶ影響で成績を落とす投手が相次ぐ中、ひとり別次元にいる。そのカギとなっているスプリットを「あまりに簡単に打ち取れる球。面白くない」と自ら“封印”した投手がいた。ダルビッシュだ。
2009年から投げていなかったが、弟分の田中がスプリットを多投して三振を取りまくる姿に刺激を受け、11年9月に解禁。いずれも自己ベストの6完封、232投球回、276奪三振、防御率1・44というすさまじい数字を残して、メジャーに雄飛していった。
田中も入団当初はスライダーを決め球としていたが、速球が威力を増したこともあって、軌道が途中までほぼ同じスプリットが効果を増し、今や取って代わったようだ。
「ひとつひとつの積み重ねですね」と先に見据える球団初のリーグ優勝のため、ダルビッシュのような「簡単に抑えられるからスプリットを投げない」といった遊びの要素は一切なし。速球とスプリットで牛耳る“免許皆伝”の域に達した日本の至宝は、数々の記録とペナントを置き土産に次のステージへ向かう。
田中は16日の西武戦(西武ドーム)に先発。8回5安打1失点の快投で17勝目(0敗)を挙げた。開幕からの連勝のプロ野球記録を伸ばすとともに、昨年8月26日から21連勝という次なる新記録も樹立した。
ネット裏の一角を占める、米大リーグ各球団のスカウト陣の前で仁王立ち。ピンチでの投球は圧巻だった。初回はいきなり無死二、三塁。4回も無死二塁から1死三塁となったが、140キロに迫るスプリットフィンガード・ファストボールで無失点に切り抜けた。
「点を取られるような打たれ方はしたくなかった。内野は下がっていたけど、1点でもあげたくなかった」。ベンチは前進守備をしかず“1点はOK”の構えだったが、「先取点をやりたくない」というエースの自負から、空振り狙いの落ちる球でねじ伏せた。
これが両リーグ断トツの防御率1・20の秘密だ。統一球が昨季より飛ぶ影響で成績を落とす投手が相次ぐ中、ひとり別次元にいる。そのカギとなっているスプリットを「あまりに簡単に打ち取れる球。面白くない」と自ら“封印”した投手がいた。ダルビッシュだ。
2009年から投げていなかったが、弟分の田中がスプリットを多投して三振を取りまくる姿に刺激を受け、11年9月に解禁。いずれも自己ベストの6完封、232投球回、276奪三振、防御率1・44というすさまじい数字を残して、メジャーに雄飛していった。
田中も入団当初はスライダーを決め球としていたが、速球が威力を増したこともあって、軌道が途中までほぼ同じスプリットが効果を増し、今や取って代わったようだ。
「ひとつひとつの積み重ねですね」と先に見据える球団初のリーグ優勝のため、ダルビッシュのような「簡単に抑えられるからスプリットを投げない」といった遊びの要素は一切なし。速球とスプリットで牛耳る“免許皆伝”の域に達した日本の至宝は、数々の記録とペナントを置き土産に次のステージへ向かう。