母の所有する土地に、長男Aが居宅を建て、長男の家族がそこに住ん
でいます。母は母所有の別のマンションに一人で住んでいます。長男家族と
母は、結婚以来同居したことはありません。長男Aが長男家族が居住するこ
の土地を相続により取得した場合、小規模宅地等の評価減は使えるでしょう
か。母は、年金だけの収入ですが自活しております。
小規模宅地等の評価減は、相続又は遺贈により取得した財産のうち、
特定居住用宅地等がある場合、その宅地を通常の価格の20%で評価する、
という特例です。この特例が受けられるのは、被相続人又はその被相続人と
生計を一にしていた親族が居住していたことが前提になっています。母はこ
の土地に居住していませんし、居住している長男Aは母と生計を一にしてい
ませんので、小規模宅地等の評価減の対象とはなりません。
母が住んでいたマンションを長男Aが相続により取得したとしても、この場
合、マンションの敷地は小規模宅地等の評価減の対象とはなりません。なぜ
ならば、生計を一にしていない親族が、被相続人の居住していた土地を相続
により取得した場合には、その親族が相続開始前三年以内にその親族又は
その配偶者の所有する家屋に居住したことがない時のみ、この特例を受け
られることになっているからです。長男Aは自己所有の家屋に居住していま
すので、この特例は受けられません。
このケースの場合、長男A居住の土地及び母居住のマンションの敷地、いず
れも長男Aが相続したとしても、小規模宅地等の評価減は使えないことにな
ります。
租税特別措置法第69条の四、