「論語」の話9回を読む。 | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

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この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで

ふぁーあ…ねむたい。


なんやかやあって今朝更新。


九回。

孔先生の生きた乱世。


今度は、陽貨、またの名を陽虎という、

野心家にスカウトをされます。


ワンピースを読んでいる人は、

「黒ひげ」みたいな奴って言えばわかる。


当時は下克上の世で、孔先生の祖国、

魯の国も王室は力を失い三家老のひとつ、

季孫氏は大変な力をもっていた。

中でも、季孫氏の家の執事である陽貨が

実権を握っていた。


その陽貨が、孔先生に声をかけた。

俺の仲間にならないか、俺の為に働かないか。


結局孔先生は断るんだけど、そこでの問答が

興味深い。


孔先生はなかなか登用されていない。

それは、やっぱりちょっとウィークポイントなんだと

思う。そこを陽貨に突かれて、少し心が傾いている。


「諸(こ)れに塗(みち)に遇(あ)う、孔子に謂いて曰わく

来たれ、予(わ)れ爾(なんじ)と言わん。」

陽貨は呼び止めて孔子に言った。少しお話があります。


「其の宝を懐(いだ)きて其の邦(くに)を迷わす、仁と謂う可きか」

陽貨は言う、あなたは立派な才能を持っている。その才能を

実際の政治家として使わずに、いろいろと国の人間を惑わしている。

それをあなたのしょっちゅう仰る、愛情や人道といってよろしいか。


「曰わく、不可なり。」

孔子は答えます。いや、なるほど。仰るとおりそれは仁とは申せますまい。


「事に従うを好みて亟(しばしば)時を失う、知と謂うべきか。」

陽貨は畳み掛けます。あなたはいろいろと仕事をしたいという。

そうしてたびたびきっかけを見送っている。それは知恵者といっていいか、

それでも知恵者といえるのか。


「日わく不可なり。」

いや、確かに、それは知恵者とは申せますまい。


「日月(じつげつ)逝(ゆ)く、歳我と与(とも)にせず。」

陽貨はさらに畳み掛けます。時間はどんどん経っていきますよ、あなたも

四十を過ぎている、もう若くない。早く何とかなさい。


「孔子日わく、諾(だく)吾将に仕えんとす。」

孔子は仰る。よろしい、ならば私は役人となりましょう。


陽貨は曲者だ。頭が切れる。


けれども、孔子も思慮のたいへん細かい人で、実は陽貨からのスカウトも、

うまいことかわそうとしている。


吉川先生はこの点にとても注目されているみたいだけれど、

ぼくとしては、これは今のところあんまり興味が引かれない。

多少大雑把でもぼくは構わない。


あとで大事になるかもしれない、それはその内にわかるでしょう。


ごめん、大変に眠い。

今回はこれまで。