僕は、橋の上にいた。
でも、橋とは言っても、いかだの木をとめてあったロープが
ほどけて、丸太がばらばらになってしまうように、
その床板が、ばらばらになっていた。
橋の床板は、表面がつるつるとした、白いプラスチックだった。
しかも、かまぼこ型で、とても大きかった。
台風の真っ只中で、川の増水が激しく、とにかく、
「かまぼこみたい?今、それどころじゃない!」
って感じだった。
向こう岸に、誰かがいて、僕を呼んでいた気がする。
僕は、朱塗りの橋の上にいた。
今にも、川の流れの中に振り落とされそうだった。
橋。橋は、どことどことを繋ぐんだろう?