ハタハタ考察♯06 | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで


うーん・・・。まあまあかな。

とりあえず、見にくいので僕の答案を並べます。


夫の遺体の収容すら終っていないのに、家族の一員の

俊一までが父の死を忘れたように、生きる希望そのもの

のようなハタハタの大群の到来という喜びにすぐに目を向ける

のは、不謹慎であり母として許せないという気持ち。


貧しい生活の内、父と祖父は生きるための漁で命をおとした。

豊かさの象徴でもあるハタハタの到来は、間に合わなかった

今では憎らしくさえ思える。しかし遺体の捜索をはじめ、村の

共同体においては互助が必要不可欠である。母は家族を失った

悲しみから、ハタハタや村人を憎く思ってしまう自分を責めて

感情を押し殺そうとしている。


村が、互助によってそのつながりを形成している共同体である

以上、亡くなった村人の遺体の共同捜索は村を維持していく

上で不可欠である。しかし、貧しさに苦しむ村にとって、ハタハタの

大群の到来は、長く待ちわびたチャンスである。

死者を敬う気持ちはあるが、その為に生者が脅かされるのでは

元も子もないと思いながらも村の建前ゆえに感情を表に出せず

抑えている。


父と祖父を喪った悲しみに打ちひしがれているだけだったが

放心したような村人達を見て、このまま貧しさが続けば

また父や祖父のように貧しいが故に無理をして命を落とす

者が出てきてしまうかもしれないことに気がついた。

今では、残された家族の中での責任者は自分であり、

自分が「家」としての意思決定をしなければならないという

自覚を持ち始めている。


父と祖父が死んだ今では、「家」における意思決定の責任者である

「父」の役割は母が代わりに担うことになる。

将来、家の跡継ぎになる俊一に、その役割を教えるのも「父」の

仕事である。母は家長がしなければならない仕事を俊一に

見せようとしたから同行させた。


俊一の父はつらく貧しい生活の中で亡くなっていったのに、

それと入れ替わるようにハタハタの大群がやってきた。

「貧しい村」という共同体の内に生きることがいかに残酷か。

母は、海中にうねる「生」そのもののようなハタハタを見て、

自分が自ら、やはり死者よりも生者を優先することを

選ばなくてはならないことを思って、貧しい人生の不寛容な

薄情さを噛み締めている。



母親が遺体収容継続の念押しに来たと考えて、

そうであれば、貧しさから抜け出すためのハタハタ漁を

中止しなければならなくなるから。


貧しさの中亡くなっていった父の遺体収容をあきらめて

自分達だけ安易にハタハタ漁によって豊かさを得ることは

許されないだろうし、到底納得できないが、そうせざるを得ない

以上、一語一語区切って話すことで、村の為、家の為だと

飲み込んでいる。


貧しい村という共同体において、また同じような犠牲者を

出してしまうことを考えずに、父の遺体収容を優先するような

エゴは、死者への敬意を持っていることにはならない。

かといって、遺体収容をあきらめて、ハタハタによって豊かさを

得るのも人間の尊厳だとは思えない。

どちらも選べない無理な選択肢を、村に属す家の「家長」に

選ばせる「村」という共同体に違和感を感じながらも、やはりそれを

維持しようとする母の行動は理解できなかったが、「村」の内に

当たり前に生活している俊一にとって、「村」という枠組み自体を

疑うという発想は無意識の内に否定されるものだったから。



* * * * *



一、たぶんそのままでおk。


二、「たたかっている」という描写を「押し殺そうとしている」と

したんだけどなあ。採点者によってはバツになるかもですが

僕はいいと思います。


三、「放心したような表情」は感情を抑えた様子ではなさそうです。

「チャンスがふいになっちゃうよぅ・・・うう」というのはあってる。

後半部分を修正する必要があります。


「村の建前ゆえに感情を表に出せず抑えている。」

「村の建前から自分ではどうすることもできないので

「困惑して」何も考えられないでいる」


千秋から「困惑して」というフレーズをもらいました。


四、このタイミングで母ちゃんの決心が固まった、というのは

つかんでたかな。後半部分は「家長はいまや母」と要素を

入れた結果。そのままで問題ないと思う。


五、母が「父」を演じるというのを入れたい。

このままでいきます。


六、もっとシンプルでよかったかも。

「生そのもののようなハタハタ」。この発想を入れたのが

僕の解答です。変えません。


七、言い回しがちょっとダメっぽいけど一応、まる。


八、だいたいあってる。そのままで。


九、これは正直仕方ない。問題文の「理解しなかった」を

受けて、もしそうならどういうことかを書いた。僕的にはあれで

いいと思います。





悪くないんじゃないかな?

明日、Educe.usに提出します。


お疲れ様でした。