ボウタオシ | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで



白昼夢って言うのかもしれない。



シャワーを浴びてたら、頭の中にイメージがどんどん

湧いてきて止まらなくなった。


最近、136thの高2棒倒しのDVD(要するに去年の僕らだ)を

観たから舞台装置は全て去年のものだと思う。あしからず




・・・




高三棒二回戦。


僕のポジションはもちろんラインだ。

試合が始まり、開始時の攻撃はしのいだ。


土煙がもうもうと舞う。

僕たちは必死に声を張る。



突然、衝撃が来る。

相手の攻撃が僕らの棒に飛びついたんだ。


でも、一人くらい乗られることもある。

騒音の中で僕たちは必死に棒を支える。





叫ぶ。


締める。


ひたすら耐える。





・・・時々棒がゆれるのは、まだ乗ったままだからだろうか。

僕の位置からは見えない。




まだ離れないのか。




すると、今度は別の方向から衝撃が来る。



・・・もう一発。




僕は、締めていた手が外れて体が傾くのを感じる。


グッ、 と体が後ろに引っ張られる。





棒を締めなきゃ。


それがラインの仕事だよね



僕は腕にありったけの力を込める。



けど、引き離された手と手は

届きそうで、結局届かない。




後ろに引く力はまだ止まらない。



・・・



正直、僕は勝ち負けはこだわらない。

運動会ができればそれでいい。


僕の脳裏にいろんな情景が浮かぶ。



・団長さんのクロブチ眼鏡



団長さんは僕が言うのもアレだけど、

ヘタレてるときもある。


でも、誰よりも運動会を愛しているし、

実はすごく努力している。



・組責さんが鍵もって走ってるとこ


彼はいつもいつも働いている。

僕たちがやらなきゃいけない仕事だって

率先してやってくれる。


僕が先に動かなくちゃいけなかったな。



・みんなが運動会活動しているところ。


マニュアル作ってたり、ミーティングしてたり。

なぜか襷がブッ千切れるところまで思い出した。



僕はどうでもいいんだけど、

彼らを勝たせないといけない。


もう一度ウイニングランするんだって話してたんだし、

まだ決勝でもないんだ。


走馬灯はまだ早いよ



・・・


僕は腕を引き寄せようとする。

僕は必死に足で踏ん張る。



棒、立てなきゃ。

きっとみんなが相手の棒を倒してくれるから。



後ろに引く力はとまらない







とまれ







とまれ










とまれ










止まれよ!!!!!







あ、そうだ肩入れ・・・




・・・



空が見える。




青い。


雲ひとつないや・・・。



昼ごはん、ポポーのチキンサンド食べたいな。





僕は、誰かに引っ張られて立たせられた。



・・・あれ、なんで?

なんだかみんなうつむいている。









棒が、地面に転がっているのが見える。



・・・



随分久しぶりにボロボロ涙が出た。

鼻水も止まらなくて大変なことに。



ネガティブなイメージを書いてごめんなさい。




僕は勝ち負けはこだわらない。

でも、彼らを勝たせないといけない。



団長が、組責が、みんなが、

勝ちたいから。



僕が勝ちたいから。




悪いけど、僕たちは勝つ。



あと、一ヶ月。



お互いにがんばろうぜ