昨日はなかなか起きてこなかった。

妻の出勤数分前にギリギリ部屋から出てきた。

無愛想に席に着き、朝食に手をつける。


妻を近隣のバス停まで送る。

徒歩範囲にあるバス停は時間が合わないため。

妻を送って戻ると既に息子の姿はなかった。


出勤前、行ってくるぞと部屋に顔を出す。

今日、レポート頑張るなら昼食買ってきてやろうかと問いかける。

ベッドで二度寝の体制に入っていた息子は背中を向けたまま、ああと唸った。


昼休み、コンビニで2人分の弁当を買い、自宅に戻る。

レポートをやっていることを期待したが残念ながら寝ていた。

弁当買ってきだぞと息子を起こす。

朝よりは寝起きは良かった。


弁当を食べながら、午後からは頑張れよと声をかける。

わかってるよと無表情で答える。

それ以上の深追いはよくないのは経験済み。

弁当を掻き込み、職場に戻った。


19時少し前に帰宅。

玄関には息子以外の靴が2足。

妻はキッチンで夕食の準備をしていた。

遊びにきているのは友人Bと中学時代の友人Hだと妻が言う。

友人Hは公立の工業高校に通い、勉強も頑張ってる普通の子。


レポートはどうしたのか気になるが追い返すわけにもいかない。

友達の前で話を持ち出すわけにもいかない。

勝負は明日かと、諦める。


妻は3人分の食事を用意して、息子の部屋へ運ぶ。

息子の部屋からはいつもより大きな音が漏れてきていた。

妻は息子の早く出ていけオーラを無視して、数分粘って友人に話しかけていた。


20時頃、食器類を持って息子と友人達が下りてきた。

自分達から運んでくるのは珍しい。

帰るのかと訊くと、これから友人Eと先日泊めてもらった友人Gが来ると言う。

友人Eは板金工のバイトをしていたが、10月から公立の通信制へ入学したらしい。

しかしレポートを出さないため、留年が決定していると以前に息子から聞いた。

人のふり見てわがふり直せ。 逆の方向に引っ張られないでほしい。


妻が菓子やジュースを買ってきてくれという。

しかたなく近隣のスーパーへ買い出しに出かけた。

自宅の戻る途中、近くの交差点で2人乗りのスクーターが荒荒しく曲がっていった。

目出し帽のようなものを被り、人相は解らない。

おそらく防寒のためだと思うが、2人組みの強盗のように見えた。


後部ナンバーが90度に曲げられている。 族車仕様だ。

よく見るとピンク色なので原チャリではないことは解った。

自宅方向へと進むスクーターの後に続く。

しばらくするとそのスクーターは自宅の前で停車。

それが友人Eと友人Gだった。


友人Eは私の車庫スペースにスクーターを停めようとしていた。

しかし私の車に気付くと軽く会釈をし、スクーターをどかした。

玄関脇を指さし、その辺に停めておいてと声をかける。

すいませんと言いながら、バイクを停めると家の中へ消えていった。


大音量の音楽と共に楽しそうなバカ笑いが聞こえてくる。

妻は私が買ってきた菓子とジュースを息子の部屋へ運んでいった。

息子の友人たちと絡みたくてしょうがないのだ。

どんな子達なのか、自分の目や耳で確認したいのだ。


21時ちょっと過ぎ、ドヤドヤと4人同時に帰っていった。

思っていたより、早い帰宅。

さすがの息子もレポートをやる気になったのかと期待する。

しばらくしてから声をかけてみようと考えていた。


21時半過ぎ、玄関のチャイムが鳴った。

誰だ、こんな時間にと玄関を開けると友人Aが立っていた。

次から次によく友人が来る日だ。

まるで息子のレポートを阻止しているかのように感じる。


22時ちょっと過ぎ、友人Aを送ってくると2人で出かけていった。

レポートは残念ながら期待通りにはならなかった。

息子の部屋を覗くとレポートが散らばっている。

前日よりは少し進んでいる様子。

午後に少しはやったことはやったらしい。

残り1日、まだ6枚ほど残っている。


深夜1時頃、玄関のチャイム。 ようやくの帰宅だ。

明日、つまり今日は友人Cが来て、一緒にレポートをやると言う。

大丈夫、大丈夫、間に合わせるからと嘯く。

しかし、その前日には今日は学校へ行くと言っていたはず。

嫌なことから逃げる体質はやはり変わっていないのか?

そうでないことを願って止まない。