酷暑とゲリラ豪雨の今夏。

花火大会や祭りでも大きな問題は起こらず、静かに夏が過ぎていこうとしていた。


平日は住み込みバイトで家にいない日が多い息子もお盆休み。

連休の初めごろは友人Bが連日深夜まで遊びに来ていた。

時には何ヵ所も蚊に刺されながらも近くの公園でダベリング。

傾いているかなと心配もするが、一年前のような荒んだ様子はない。


最近、息子は私の部屋で一緒に寝ている。

自室にはエアコンがないため、暑さに耐えきれないようだ。


妻は以前に私が風邪で寝込んだ時に主のいなくなった娘の部屋に退避した。

それまで布団を敷いて寝ていた妻。 娘のベッドがいたく気にいった様子。

それ以来、娘のベッドで寝ることが当たり前になった。

そしてそこで娘のマンガにはまってしまい、現在に至っている。


その空いたスペースに息子が転がり込んできた。


とある夜、ノートPCを抱えて帰ってきた息子。

無線の設定をしてくれと言う。

友人BのPCらしく、そこにネット通信型のゲームが入っているとのこと。

友人BはPCを買い替え、もう1台持っていると言う。


友人Bは完全な夜型人間。完全に昼夜が逆転している。

それに合わせるため、必然的に息子も再び夜型へ。

自室でゲームに興じ、暑さに耐えきれなくなると私の部屋に来てゴロゴロしながらスマホ。

落ち着いてくるとまた自室に戻り、友人BのPCでゲーム。 その繰り返し。

出たり入ったりするので、こっちも熟睡出来ない。


お盆は仕事も比較的落ち着いてきており、有給を絡めて9連休の休みをとった。

とくに何をする予定もないが、散らかり放題の家の中を片付けたかった。


しかし息子にも受け継がれたように本来怠惰な人種。

ましてや息子のおかげであまり寝た気もしない。

なかなかやる気にならず、午前中はゴロゴロ。

夜型へと移行した息子も当然のように午後遅くならないと起きない。


それでも息子の昼夜逆転を除けば、大きな問題はない。

家の中も一年前と比べ、空気が軽くなっていた。


そんな日が数日続き、流石に片付けを始めないとと動き出した時だった。

突然の魔女の一撃。 身体中を瞬時に電気が走り、立っていられなくなった。

急性腰痛症、いわゆるギックリ腰。

おりしも終戦記念日。 B29の爆撃を腰に受けたかのような痛みが走る。


30歳そこそこの頃にやって以来、2度目の魔女の一撃。

すっかり記憶から遠のき、注意も怠っていた。

ナメクジのような速度のホフク前進でなんとか寝室まで移動。

それから2日間まったく動くことが出来なかった。 トイレもままならない。


妻は自分の家事の負担が増えた事に憤るだけで、労わりの欠片もない。

普段から運動不足だから自業自得だと、私が激痛に顔を歪めるたびに笑う。

妻は昔からこういう人間だ。 他人の不幸は蜜の味。

そのくせ、自分の痛みの場合はギャーギャーとうるさい。


それでも息子は少しは気にかけてくれる。 「医者、行った方がいいんじゃね?」

朝起こす時に腰痛いから何度も起こしに来れないぞというと1回で起きてくる。

普段はあれしてこれしてと要求してくるが、今は自力で行動している。

激痛は耐えがたいものだったが、悪い事ばかりだったわけでもないようだ。


盆明け、19日からの1週間、息子はスクーリング週間。

しかし、その事を忘れて仕事の予定を入れてしまった。

義従弟にお詫びし、バイトは21、22日だけにしてもらった。

19、20日と学校に行き、昨日から義従弟の家に泊まり込んでいる。

今日帰ってきて、明日は学校の予定。 レポートの締め切り日。


一週間ほどが経過したが、まだ腰の痛みは残ってる。

座り仕事のため、一日同じ姿勢で座っていると、夕方には激痛が走る。

それでも一年前の心の痛みよりは遥かにいい。