仙台に転勤してからは、ひたすら仕事だけに集中しました。
その頃彼女も仙台で仕事探しをしていましたが、仕事を見つけてもすぐに辞めて、また職探しの繰り返し。
収入のほとんどない彼女にはちょくちょくお金
を渡していました。
お金の要求が増えていったのも、収入がないから仕方ないと思っていました。
仙台に来て1ヶ月くらい経ったある日、家に送られてきた彼女宛の郵便にいやな予感
。
はがして中を見るタイプのはがきが何枚も。
差出人はおそらく金融機関。
かつて借金をしていた私は、中を見なくても見当がついたので、彼女にそれとなく聞いてみました。
「何のはがき?」
「あ、あぁ、保険関係だょ」
保険会社からなら差出人の記載はあるはず。
さらに突っ込んだ。
「借金があるんじゃないの?」
「・・・」
「正直にいってごらん」
「・・・実は少しだけ」
少しの借り入れで色の違うはがきが何枚も来るはずがない。
しかも郵便物が送られてくるのは滞っているときだけだ。
そう思ったボクは、はがきを見せるように言いました。
渋々見せられたはがきはやはり消費者金融のもの。
5~6社はあったでしょうか。どれも限度額いっぱいまで借りていました。
総額で150万以上。収入のない彼女が返せるわけもない。
とりあえず50万円を渡し、滞っている分の支払いと、残高の少ないところを完済してくるよう言いました。
それからも職を転々とする彼女。
金に困ると甘えてくる。
さらにはいつの間にか通販で買い物。支払いは代金引換。
しかも完済したはずの金融会社からも催促の電話。
再び彼女を問い詰めました。
「どうなってんの?」
「・・・」
「仕事もすぐ辞めるし、勝手に買い物して、どういうつもり?」
「・・・だって」
屁理屈や言い訳ばかりを繰り返す彼女に強く憤りを感じるようになっていました。
「もうこれ以上金は渡せない。自分で何とかしようとしない人は助けられない。」
「えーっ」
「俺は君の何だ?ただの金づるか?」
「だって・・・」
「もういいよ。別れよう」
「いやっ、絶対別れない!」
・・・最悪だ。
それから家に帰るのが嫌になり、朝方までファミレスや車の中で時間をつぶすようになりました。
それでも、仕事は順調に進み、S店長からも絶大な信頼を得られるようになりました。
「やっぱ、店長経験者は違うなぁ。安心してられるよ。いつでも復帰できるんじゃないか?」
今まで、ボクの知る限り店長から降格になった人で、1年以内に返り咲いた人はいませんでした。
ボクも当然1年くらいはかかるかもしれないと、覚悟していました。
本当は降格と言われたときに、辞めてしまおうかとも思っていましたが、負けず嫌いのボクはここで辞めたらカッコ悪いと思い、どうせなら店長に返り咲いてから辞めてやると思っていました。
2004年7月、仙台に来て4ヶ月が経とうとしていたある日、S店長から食事に誘われました。
向かった先はお寿司屋さん。
「何の話かわかる?」
「転勤ですか?」
「うん、まぁそうなんだけど」
「はぁ・・・」
「店長復帰、おめでとう
」
「えっ?あ、ありがとうございます!」
予想外に早い店長復帰の内示でした。
「早速なんだけど、時間がないんだ。明日現地入りして打ち合わせをしてきてくれるか?」
「はい!」
行き先は新潟県長岡市。
問題をひとつ抱えていました。
彼女のこと。
絶対に連れて行くわけにはいかない。
都合がいいかもしれないが、この転勤で別れなければ、ボクに未来はない。
出張を翌日に控えたその日の夜、彼女に、青森の実家に帰るよう話しました。
朝になっても、泣きじゃくり納得しない彼女を振り切り、新潟へ向かいました。
つづく・・・