歯のホワイトニングは、審美歯科の領域です。歯の健康よりも美容を重視しているのが審美歯科で、ホワイトニングでは歯を白くすることを目的にしています。

 

大きく分けてホームホワイトニングとオフィスホワイトニングがあり、最終的に白さの限界値が高くなるのはホームの方です。歯の白さはシェードガイドというので表されていて、平均的な日本人の歯の白さは3.5(M2)です。芸能人やモデルさんなどの美しい白い歯レベルになると1(M1)で、ホームの方であればM1レベルくらいまで白くできる可能性があります。

 

オフィスの方でそれ以上白くできないレベルまで到達したらホームの方に切り替えるという方法でやっていくと、白さの限界値まで近づけることが可能です。忙しい人や、この日までに白くしたいという急いでいる人であれば、オフィスの方が適しています。ホームは家で専用のマウスピースを使って時間をかけて行いますが、オフィスの方は歯科医院で濃度の高い漂白剤である過酸化水素を歯に塗布し、ライトを照射して歯を白くしていきます。

 

ライトは薬剤の漂白効果を促進させるために照射するもので、だいたい8分〜15分くらいあてます。最近では熱を持たず、歯や歯茎に優しいLEDライトが人気になっています。すぐに効果が現れるのがメリットで、短時間ではっきりした効果が得られます。オフィスの方は家で自分で薬剤を扱うのではなく、医師の管理のもとで薬剤を扱うので、ホームで使う薬剤の約6倍の濃度の漂白剤を使います。そのおかげで短時間ですぐに歯が白くなるのですが、薬剤が濃いために痛みが出ることがあります。

 

効果は高いですが、1回だけで完全に白くできるわけではありません。通常はライトの照射3回(トータルで40分〜60分程度)が限界で、それ以上やってしまうと痛みが出やすいので、2回目以降に回します。2回目は1週間〜2週間程度の感覚で目標の歯の白さになるまで定期的に行います。あまり期間をあけずに続けて行うのがポイントです。ホームの方は、家でホワイトニングをするための専用のマウスピースを歯科で作成してもらい、歯科医院で使うよりも低濃度の過酸化水素をもらってそれをマウスピースに入れて歯を白くしていきます。効果が実感できるようになるまでには、少なくとも2週間はかかります。満足のいく白さになるまでには1ヶ月〜2ヶ月は必要です。

 

オフィスの方は1回でも効果が実感できますし、2〜3回通えばだいぶ白くなりますが、ホームの方は時間がかかります。歯科で勧められている一番白くなる方法は、オフィスとホームを併用して行うデュアルホワイトニングという方法です。オフィスで一気に歯を白くして、ホームで色の後戻りを防ぎながら、さらに白さをアップさせていきます。ホームの方は毎日根気よく続けていくことが必要なので、自信や根気がない人はオフィスでやってもらった方がいいかもしれません。どれくらいまで白くしたいのか医師と相談しておきましょう。

 

しかし使用した直後には注意事項があります。使用直後はもちろん歯は綺麗な状態ですが、逆に何かを飲食するとまたすぐに汚れやすいのです。とくに黒に近いコーヒーやカレーは着色しやすいやっかいな食べ物ですから、使用後の10時間程度は避けた方が良いと思われます。食後はなるべく色素の薄い水を飲むことが歯を白くするための近道といえますから、間食を避けるなどの食事制限が必要になります。 ときどき歯科衛生士などにカウンセリングをすると、自分の歯の状況が過去とどのように変わっているのかを知らせてくれます。