これを読んでくださっている女性の方々へお聞きします。
日本に真の男女平等社会を作ろうと思っていますか?
これは、大袈裟な言い方だとは思いますが、
日本に真の男女平等社会を作るために自分の青春を捧げた女性たちの物語でもあります。

僕が大学生だったのは1980年から1983年。
当時の内閣総理大臣は中曽根康弘さん
当時のアメリカの大統領はロバートレーガン

1980年のレコード大賞受賞曲は
寺尾聰さんの、ルビーの指輪 
YMO、小田和正さん率いるオフコース、松山千春さんの全盛期。
サザンのアルバムだとステレオ太陽族からヌードマン 
ユーミンのアルバムだと、真珠のピアスからリーインカーネーション。
洋楽だとマイケルジャクソンがスリラーでブレークした。
またバンドエイドが行われ、マイケルジャクソンが
著名ミュージシャンを集めWe are the worldをヒットさせた。

演劇界では、野田秀樹さんや宮本亜門さんが活躍

映画では
スターウォーズ ジェダイの帰還
E・T、グレムリン、愛と青春の旅だち等

アニメでは、
Dr.スランプアラレちゃん、すすめパイレーツ、
魔夜峰央さんのパタリロが大人気。
 
ベストセラーは
山口百恵さんの蒼い時
五木寛之さんの四季 奈津子
ノストラダムスの大予言等

人気テレビドラマ
ふぞろいの林檎たち
想い出づくり
北の国から等

人気バラエティ番組
オレたちひょうきん族
志村けんさんのバカ殿シリーズ

バブル期でもあったため
ディスコ(今で言うクラブみたいなもの)でワンレンボディコンのお姉さんたちがお立ち台で踊っていた。
女子大生ブームでもあり国生さゆりさん等がメンバーだった、おニャン子クラブが大人気だった。
一方で金持ちのおじさん達と援助交際をする女子大生もいた。
この頃は恋愛と結婚は別という考え方の若い女性が多かった。女性は職場で歴然と差別されていて、責任のある仕事、やりたい仕事は任せてもらえなかった。
学生時代に遊んでおいて、社会に出たらなるべく年収の多い人と結婚する、という考え方があった。
離婚率が伸びて行くのも無理はなかった。
一方男は、学歴社会が歴然としており、所謂一流大学を卒業していないと一流企業への就職は不可能だった
一流大学へ入学出来なかった学生は、卒業しても条件の良い会社には就職出来なかったので、大学をレジャーランドの様に考え、勉強はせず、バイトして遊んでばかりいた。
日本経済の凋落はこの頃から始まっていた。
大学で遊んでばかりいた学生が就職しても戦力にはならないからだ。

僕が大学生の頃は、現代思想ではポスト構造主義や
文化記号論が主流だった。
マルクスその可能性の中心等の著作で知られる
エール大学客員教授の柄谷行人さんを始め
当時の現代思想家の人達が論戦していた。
その頃新鋭の現代思想家の人がいた。
京都大学の確か助教授だったと思うが浅田彰さんだ。
構造と力、逃走論の著作を出し、現代思想の本としては異例のベストセラーに近い数字を出した。
それらの著書にあるバラノイア型人間、スキゾフレニア人間というのは当時の流行語にもなった。

少し述べたが、
この頃の女の子たちの将来の夢の第1位はお嫁さんになること。
女子大生の人達の多くも、一流企業や官庁に務める人と結婚して専業主婦になることを望んでいた。
その一方で、自分のやりたい仕事をしたい、男と同じ様に企業や社会で認められたい、と思っている女子大生もいた。
だが現実は、企業側は結婚迄の足掛けとして就職すると思っていたので、自分が希望する職種どころかお茶汲みやコピー取り等、雑用しか任せてもらえなかった
自分がやりたい仕事へ挑戦させてもらうことも出来なかった。
しかも、賃金も男とはかなりの格差があった。
また当時は煙草を吸うのが当たり前、オフィスの中で煙草を吸うのも当たり前だった。
女性たちは煙草の煙が立ち込める劣悪な環境で仕事をさせられ、煙草の吸い殻まで片付けさせられていた。

そんな中、
私も男の人と同じ責任のある仕事をしたい
子どもを産むのは女性、でも企業も社会もそれを考慮し女性にも男と同じ仕事をさせてもらう機会と環境が欲しい 
男と同じ仕事をこなすならば、男と同じ賃金が欲しい
結婚しても男は仕事、女は家事という固定概念は失くして欲しい、男にも家事育児に参加して欲しい
男と女は平等対等。
と考える女性たちもいた。

1979年、国連で女性差別撤廃条約が可決された。
各国がその条約に締結していくなか、日本は締結に向けての動きすら見せなかった。
1984年、日本は重い腰を上げ漸く女性差別撤廃条約にサインし、翌1985年、男女雇用機会均等法が制定された。
そんな時代に僕は大学生だった。

昨年、僕の娘が結婚した。
初めて娘が彼を紹介してくれた時、僕の娘は
お父さん、この人が私のパートナーになる人だよ
と言った。
時代は変わったと思った。
娘のパートナーは残業で娘の方が帰りが遅くなる時は 
娘の分も含め夕食を作っておいてくれているという。
僕の若かった頃とは大違いだ。

僕は大学に入学すると
日本に真の男女平等社会を作るんだ 
と真剣に考えていた茉莉子さんという女性と出会った
茉莉子さんの様な女性は僕の大学だけでなく、他の大学にも又社会にもいた。
彼女たちの力や影響力は微々たるものだったかもしれない。
だが、今の社会における地位は真の男女平等社会を日本に作るために青春を捧げた女性たちのお陰でもあると僕は思う。
僕は今の女性たちに、そんな女性たちがいたことを知っておいて欲しいと思い、このシリーズを書きます。

最後にもう一度 
これを読んでくださっている女性の方々にお聞きします。
日本に真の男女平等社会を作ろうと思っていますか?

つづく