今年の夏、奥さんと地元長野県の茅野市にある
御射鹿池という人工の農業用の溜め池を見に行って来た。
この溜め池の風景はCMでも使われた有名な東山魁夷さんの絵、緑響くのモチーフとなった場所だ。

緑響くという絵は、ご存知の方が多いが、池の後ろに
森があり、それが絵の中央から上半分描かれていて、
下半分はその風景が上下対象に描かれているもの。
そして、池の畔を1頭の白い馬が歩いている。

御射鹿池には、これと殆ど同じ風景があった。
僕は以前1度行ったことがあったが、奥さんは初めてだった。  
奥さんは、本当に緑響くの風景があると言って喜んでくれた。 
東山魁夷さんは、この風景のなかに1頭の白い馬が見えたんだと思った。
昔は、知る人ぞ知る観光スポットだったが、ネットで評判となり、有名な観光スポットとなり、観光バスも停められる駐車場まで出来ていた。

東山魁夷さんの白い馬が描かれている絵は他にもあり
白い馬が描れている絵を集めた画集、白い馬の見える風景という画集を僕は若い頃買った。
僕には娘がふたりいるが、娘たちが小学校低学年の頃この画集を見せてあげると、白いお馬さんがいる、と言って喜んでくれた。
娘たちは絵本のように見ていた。

東山魁夷さんはヨーロッパを絵を描きながら旅していたことがある。ドイツの絵も沢山描かれている。
30代の時、仕事でドイツに出張の言った時、美術館で東山魁夷さんの絵の特別展示をしていた。
僕はその美術館のなかに入った。 
沢山の人たちが来ていた。そのなかに、30人くらいの園児たちを連れた保母さんがいた。
僕か英語で話しかけると、その保母さんはニコッとしてくれた。
その保母さんは
東山魁夷さんの絵が好きで、子どもたちを連れて来てあげたと言った。
子どもたちは、静唱という絵を見ていたが、みんな
嬉しそうに見ていた。
子どもたちが何と言っているのか、その保母さんに聞いてみると。みんな綺麗と言って喜んでくれていると教えてくれた。

大家と言われる画家の方々が日本にもいる。
だが、子どもたちの心までも魅了する絵を描けるのは 
東山魁夷さんだけのような気がする。