その男とH(女子)は高校時代の同級生


男と女だけにスッタモンダあった仲

高校卒業後  男は大阪へ   Hは愛知へ

男は寝ても覚めてもバイクの日々

卒業後も連絡を取り合うも距離的な問題から
なかなか会うことは難しい

そんな中でも、Hは男の住む大阪へ遊びに来る

Hが大阪へ遊びに来たのは2回。

2回である



いつしか連絡すら取らなくなり

ある年のお盆

男は帰省することに

帰省ラッシュに巻き込まれるのを避けるため、
目覚まし時計を夜中の3時にセット
4時には出発の予定

が、夜中の2時に目がさめる
不自然なほどにパチっと目がさめる

布団に入ったまま、クローゼットの方に目を向けると、そこにはHの後姿

呼んだ覚えはない

後姿しか見えないが間違いなくHだ
ブラウンのロングスカート
ウェーブのかかった長い髪
白のブラウス

するとHはクローゼットの方に消えて行った

その後、男は出発まで眠りにはついていない
つまりは夢では無い


4時過ぎ
男は帰省のためにバイクで出発

西名阪道をしばらく走ると、遠く先に黒い影

モヤっとした表現しがたい黒い影

その影は、遠い先で右から左へ通り過ぎる

しばらくすると今度は左から右へ

またしばらくすると右から左へ

通り過ぎるたびに男との距離が近くなっている

同じことが何度か繰り返し、どんどん近くなる

最後には、走っている男の前から動かない

そして、その黒い影が消えた瞬間

「止まって!!」

と聞こえた。

耳に聞こえたのでは無く、脳に直接聞こえた感じである。

その声はHの声


朝から訳のわからないことが続き
男は次のパーキングへ

パーキングで30分程   休憩し出発

その後は何事もなく走行

すると電光掲示板に通行止めの表示が。

男は回避のため通行止め手前の出口で降り自宅へ到着


帰宅後のニュース

本日西名阪道◯◯トンネルで◯◯時頃に事故発生
火災も発生し死者も出ていると。

そのトンネルは事故が多い事で有名である

男は咄嗟に計算する

あのまま走り続けていたら、トンネルを何時に通過しているのかを。

計算し算出した通過時刻は、事故があった◯◯時であった

止まって休憩していなければ、事故に巻き込まれていたであろうタイミング

Hが止めてくれていなければ・・。



男は気になり、翌日Hの実家に電話をする

お母さんが電話に出て
Hは昨日 結婚して、もう家にはいないと。


なぜか、何か大きなものを失った気がした








あれから随分と時が経ち

今日、男は仕事で向かった豊橋のコンビニ駐車場で休憩



そこへ入ってきた1台のバイク
ヤマハのセローである
ライダーは女

そのスタイルの良い女はヘルメットを脱ぎ、男に背中だけを見せ店内へ。


店内から出てきた女を見て、男は飲んでいたコーヒーを吹き出した

その女はHであったのだ
偶然の再会に驚き
Hがバイクに乗っている事にも驚く


お互い気が付き、昔話に花を咲かせる


そして男は以前から気になっていた事を思い出す

お盆に男の部屋に現れたのは本当にHだったのか
あの西名阪道で聞いた声は本当にHだったのか


大阪時代にHが何度  遊びに来たのかを聞いてみる事にした
実際に遊びに来たのは2回であると分かっていながらの質問である



男  
お前、俺が大阪に住んでた時に何回 遊びに来たのか覚えてるか?


H
ん〜3回!なんでそんな事を今頃聞くの?


いや・・なんでもないよ

(3回か・・・3回って答えやがった。そのうちの一度はあの日の事なのか・・・)



セローのチェーンが錆びてることへの
説教が終わる頃
Hはヘルメットを被る


ここで連絡先を聞くのは野暮ってもんであろう


またいつか・・と声をかけ
男はコンビニ店内へ

店内に、去って行くセローの排気音が聞こえる
スーパートラップのいい音である


男が車に戻ると運転席側のドアノブにメモが。


メモには
「プレゼントは?」と書いてある


何のことかサッパリ解らない



車に乗り込んだところで思い出す















今日はHの誕生日であった













全て実話なのだw