お福茶を頂き新年を祝う。

 

日本に住む友人から小包が届いた。

箱を開けた瞬間カラフルな付箋が目に入ってきた。

『節分で本格的に年が明けるわよ。どんな年にする?貴女に大きな福がやって来ますように。』と京都一保堂の大福茶。

『神戸の街を歩いてたら昔よくふたりでいってた○○の店にいったの。で、見つけたよ(笑)』、

『貴女の好物の和菓子、会社帰りに見つけちゃったわよ』、

『私が今一番気に入っている調味料。貴女、どう思う?』、

『出張先でおいしかった蕎麦』、

『蕎麦をおいしく食べたいだろうからおいしい出汁も入れといたよ』と数十年慣れ親しんだ彼女の少し流れるような、そしてきっちりとした性格を表す几帳面な文字が品物一つ一つに丁寧に付箋で張り付けてあった。

 

彼女はいろんなところで『わくわく』を忍ばせて人を楽しませるのが驚くほど上手い。

そして限りなく温かい気配りで周りを泣かせてしまう人なのだ。

 

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彼女とは小学校の入学式の日に偶然互いの教室の廊下で出会った。

残念ながら同じクラスではなく、お隣のクラス。でも正真正銘小学校という当時未知の世界で出会った初めての人だった。

その後も中学まで同じ学校に通っていたけれど、その9年間に同じクラスになったのはたった1年だけ。

クラブ活動も違えば習い事も重なることはなかった。

家も校区の端と端に位置するから帰り道も反対方向。

でも不思議と気が合い、付かず離れずいままでずっと交友関係を続けてこれて友のひとりなのだ。

 

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小包の奥底に美しい和紙に認めた手紙が入っていた。

私や家族への気遣い、そして彼女自身の近況報告をユーモアたっぷりに、でも真摯につづられてあった。

 

人生において小脇に抱えるものは人によって違うし、それぞれ自分の分はしっかりと抱えて生きている。

だからこそお互いの荷物を横に置いて時にはふっと一息ついて心許す人と笑いあいたい。

 

手紙を読み終わって一人で泣いて、一人で笑いながらふと、

こんなに幸福感に包まれた年明け、今年は大福がやって来る年だと確信した。