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僕が、ミュージカルでもなく、スポーツでもなく、ましてやTV番組でもなく「やっぱり映画が一番好きだ」と思う理由のひとつは、だれもが映画に対してはなにがしらか「一分」を持っているからだ。
「好きな映画は?」
その質問だけで、その人の好みや世界観を垣間見ることができる。
その映画の何かがその人の記憶や経験のフックにひっかかった訳で、その人の「クオリア」の断片に触れることができてどこか楽しい。
それ程に、その人の「人となり」をわかりやすく教えてくれるものをぼくは映画以外に知らない。
もしくは僕にとって映画というフィルターが一番その人をわかりやすく抽出してくれる。
そして、自分を勇気づけてくれる映画、一生忘れられないことを教えてくれる映画、生きているうちに何本そんな映画に出会えるだろう。
きっとそれは多くはない。
けど、そんな1本の映画が人生に彩りを加え、その数が多ければ多いほど、その人の人生は豊かになるんだと思う。
大げさではなく僕はそう思う。
そして、この映画は僕にとってそんな映画のひとつになった。
主人公はニュージーランドの片田舎に住むただの「じじい」だ。
ポスターのコピーに書いてあるとおり。
「若さもカネもなし。
あるのは1台のバイクと、
生涯をかけた夢。」
1960年代にニュージーランドからアメリカへ渡る旅。
62歳。
心筋梗塞という死と隣り合わせの身体。
けど、夢に向かうそのひたむきさと純粋で真摯な心ざしが、周りの人たちに伝染する。
町中がバカにしたその夢をただ一人信じる少年。
同じ夢を目指し、その苦しみや痛みが共有できるライバル。
初めて女として扱われたオカマ 笑
その他にも見返りを求めず快く手を貸す人々が彼の夢と情熱に大きな翼を紡いでいく。
一期一会。
なんと素晴らしい人生だろう。
そして、ノンフィクションとしての原作のクオリティーだけでなく、映画としてのクオリティーもとても高かったと思う。
特筆すべきは、アンソニー・ホプキンス。
誰かが、アンソニー・ホプキンスはハンニバル・レクターを演じるために生まれてきたと言っていたが、このバート・マンローの偉業をたたえるとともに僕にとってのアンソニー・ホプキンスは『バート・マンロー』になった。
歳を重ね、30年後にまたこの映画を観たいと思う。
きっと、その時この映画は今以上に心の琴線に触れるだろう。
そして、その時彼の生き方に負けない生き方をしていたい。
『世界最速のインディアン』 : http://www.sonypictures.jp/movies/theworldsfastestindian/site/index.html
