忘れたい過去の記憶。
忘れたくない過去の想い出。
みんなそれぞれに、いっぱい抱えてるんだよね。
あたしはね、
記憶を思い出さないように
ってポケットに詰め込んで歩いてきたの。
過去から、現在へ。
一歩、一歩ゆっくりと。
想い出はいつでも振り返れるように
って両手に握り締めて歩いてきたの。
過去から、現在へ。
何度も転びながらもね。
両手を広げて見てみたら、
握り締めていたはずの想い出が
少なくなっていた。
記憶はいっぱい手繰り寄せられるのに、
想い出はホトンド無かったの。
どうしてだろう…。
ギュッて握り締めてきたはずなのに。
大切に持ってきたはずなのに…。
転んだ拍子にね、少しずつこぼれちゃったみたい。
躓いて、転んで、壁にぶつかって、
いろんな記憶を重ねるごとにこぼれ落ちていた。
振り返りたいと思ったときに、その想い出の影は薄くなっていた。
ポケットに入ってる過去の記憶はいくらでも鮮明に
目を閉じるたび、見えるのに。
ちょっとした言葉を聞くたびに蘇るのに…。
間違ってたんだ と思った。
どっちもね、ポケットに入れて歩いて来たらよかったの。
そしたらね、ポケットが破れない限り、
いくらでも想い出に浸れるでしょう?
だからこれからはね、
忘れたい記憶も、
忘れたくない想い出も。
どっちも大切に綺麗にポケットに詰め込むことにしたの。
そうすれば、
いつでも想い出を振り返れる、浸れる。
記憶を思い出して強くもなれる。
痛いことの方が多いと思うけれど。
きっと、全てを失ってしまうより
全然いい。
絶対いい。
そう、思う。
*幼い頃の大好きだったスカートのポケットの中には
宝物がいっぱい詰まっていた。
幸せのカケラが、大切な想い出が、
夢や希望が、溢れるほどに入っていた。
それを、ふと思い出したから…。
ただ、それだけの話。
読んでくれてありがとうございました。
ai