機械的に、ただただクワで畑を耕す。


私は ほっかむりを被った中年の女の人だった。


重いクワを



振り上げては



下ろして



また振り上げる



手は豆が潰れて


柄を握りなおすたびに


痛くてズキズキする



腰が痛くて 痛くて



爪の間に土が入って 黒々として見苦しい



いったい 私は


この広い土地を


どこまで 耕せばいいのだろう




耕しているのが


畑なのか 開墾地なのか


どうでもよかった



ただ「やれ」と言われたから


やっているだけ



『それでいいのか? 問いただしてみろ』



そんなの知らないよ


なにも知らないくせに


それでいいも何も


食べていくために 嫌だけどやってんだ


辛いけど やってんだ



村の男たちは 「話が違う」


「蜂起しよう、みんなで」と言うけれど



こんな 一農民が 立ち上がったところで



何になる



ご立派なことだけど



蜂起したところで


意志を示したところで


何も変わらない



最初から 期待しなければ


明日の飯に 困ることも ないじゃないか


なにも知らないくせに


守らねばならない子どもたちだっているのだ



だったら 領主に 従って


生きていく方が いいじゃないか




話が違う



話が違う



話が 違う




そんなこと 
私が1番 
思ってる




でも今更、どうしろというのだ





 

LIVE当日は

何故 この曲を聞いて

涙が出るのかわからなかった。



YouTubeの限定公開で

何度も 何度も 聞いているうちに



私ではない彼女の


怒り


込み上げてくるのがわかった。





あのとき気のせいだと思った

クワを握る血豆の両手、


どこまでも続く土地に


諦めと 絶望を感じたのは


気のせいではなかったらしい。




帰りの飛行機で、まきょんから

「北海道に縁あるでしょ?言われたことない?」って言われて初めて



あの映像と、この静かな怒りは

かつての私だったと気づいた。



LIVEで、とうまさんが

「今だったらどう変えられる?


今だったらどんな面白いことにできるだろう?


見えて終わりじゃなくて、

ちょっとそこも考えてみてね」


って言ってたけれど、


正直、どう変えられるのか全然わからない。




北海道はお花があちこちに植えられていて

とても素敵なところ。



「綺麗な道を、美しいお花と一緒に歩けるのはあなた方のお蔭です。ありがとうございます。」


って心の中でつぶやいたらいいのかな。


アイヌの文化も勉強してみたらいいのかな。




宇宙にも問いかけて


閃いたりおりてきたものを


実践してみようかな指差し