2019年10月1日
新しい月のスタートです。
今年ももう9ケ月が終わり、残すところ3ケ月になりましたが、まだ日中は暑いことです。
異常気象は間違いないのですから早く手を打たなければとんでもないことになりそうです。
人類滅亡の日に向かってカウントダウンが始まっているというぐらいな認識が必要です。
さてさて今年僕は、これまで忘れていたもの、僕の中で眠っていたものに目覚めさせられました。
僕は小さい頃から生き物が大好きで、人間があまり好きでない変人少年でした。
窓の外を鳥が横切ったり、木の枝にとまったりするともうそれを見ることに集中して、
他のことが目に入らないような始末で、よく失敗をしたり、叱られたりしました。
池を覗き、川を覗き、海を覗き、自然の中にいるときはいつも生き物を探していました。
シートンの動物記を愛読し、動物図鑑を眺めるのも大好きでした。
動物学者になりたいという夢を持ち続け、大学への進学にあたっても、
「生物」が専攻できる学科を選びました。
本当は医学部か理学部か獣医学科に行きたかったのですが、
偏差値が良くないので、生物の教師養成のコースを選択しました。
大学3回生になっていよいよ専攻を決めることになり、僕は動物生態学を専攻することに決め、
指導教授から甲殻類の等脚目に属するコツブムシというムシの生態研究を指示され、それに没頭しました。
大学に籍をおいたおよそ5年間僕は全国を駆け巡りこのムシの生息地を探し旅をするとともに、
実験室でこのムシを飼育し、その生活史を明らかにする研究にも取り組みました。
その結果、僕はこのムシが雌性優先で性転換する生き物であることを突き止めました。
一方僕は小学生の頃からボーイスカウトに入って、よくキャンプなど野外活動を行いました。
実にこれが楽しくて野外が大好きな子供として成長しました。
野外で火をおこして、ご飯を炊いて、あれこれを調理し、夕焼けを見ながら、
あるいは星空を見上げながらしみじみと時間を味わうことは僕には最高の贅沢です。
コツブムシを追って全国を回っていた頃、僕は車にテントとキャンプ用炊事用具を常備していました。
さて、26才の頃に家庭の事情もあって僕は大学を離れることになり、
このムシとの関わりを持てなくなりました。
そのとき僕がコツブムシの後継として選んだのは淡水魚で、
自宅にたくさんの水槽を並べて淡水魚を飼育し、
さらには熱帯魚や海水魚にまで手を伸ばして魚三昧の生活をしていました。
ところが、以後次第に仕事が増え、同時に政治の道を歩み始めたこともあって、
生き物とも、野外活動とも縁が切れてしまったような状況がここ20年ほど続いていました。
ただメダカだけは大切にしてもう30年近く自宅の池で飼育してきました。
ところが最近、メダカは大ブームで実に多くの品種が生み出されていることを知り、
同時に知人が色々な品種のメダカを飼育していると聞いて、
俄然メダカへの関心が強くなってきました。
それだけでなく、昨年の晩秋から付き合いをはじめたT君がこのにメダカにはまってしまい、
なんとも僕にはラッキーなことに自らメダカの飼育係を任じて世話をしてくれるのです。
彼は探究心が実に旺盛で、インターネットでメダカ情報を取り、メダカの本を買い、
すでに僕よりはるかにメダカに精通しています。
稚魚にはミジンコなどが良いということで、田んぼの土から取り出したミジンコを
彼はクロレラを培養しながら増殖させ、稚魚に与えています。
去る28日には、たつの市で開かれたメダカの品評会にも二人で行きました。
京都市内の観賞魚ショップにはこれまで何度行ったことか!
久しく忘れていた僕の生き物への執着が見事に復活しました。
ちょうど新たな生きがいを探していた僕だけにメダカと出会ったこと、
というよりもT君に出会ったことが何よりもうれしいできごとなのです。
実は28日にたつの市に行く前々日だったかに、
これまた野外が好きだという彼に、僕は野外飯の昼食を提案しました。
突然の提案だけに却下するだろうといましたが、これが同意。
そこで彼の愛用のガスコンロなどを持ってたつの市に向かい、
途中のコンビニでカップ麺とおにぎりを買い込み、揖保川沿いの公園に良い場所を見つけてそこで昼食。
美しい川の流れと流れの音を楽しみ、青空の下で吹き抜ける風を実に心地よく感じながら、
沸騰したお湯をカップに注ぎました。
実に実に至福のひととき。
ここでも僕は長年忘れていたものに目覚め、火がついたのです。
これからは頻繁にキャンプをしたり、野外飯を食うぞという気持ちになりました。
本当に彼に出会えたことは僕の最上の喜びです。
もう人生残すところが少ないことを思うと、
彼とはもっと早く出会っておきたかったと、悔しさをこめて思うばかりです。
あまりにも彼の登場が遅かったと嘆きたい気持ちでいっぱいです。
時々僕を不愉快にさせることもある彼ではありますが、
もうこいつに怒りを向けることはないようにしようと、自分に言い聞かせています。
どうやらヤツは、僕にそう仕向ける不思議な力を持っているのだと思えてきました。
今後ともよろしく、T君




