ヘルシンボリのホテル(といってもユースホテル的お宿)、STF Miatorp Hostel & Hotelの朝。
実に爽やかな朝で、気分は最高でした。
スタッフの優しさや、美しい自然、そして野鳥が多いことが心を癒やしてあまりあります。
じわじわこの地に惚れ込んでいく自分の心の変化がうれしかったです。
簡素な朝食(ホテルの料金からいえば当然ですが)を済ませ、昨夜予約したタクシーを待ちました。
彼は約束した時間より早くやってきてくれましたが、相棒が現れず少し待たせてしまいました。
「アリーナに行く前に事前に清算しておいてくれ。250クローナだ」というので、クレジットカードを渡しました。
まだ滞在わずかでしたが、クレジットカード決済にずいぶん慣れてきて、「これは楽だなあ~」と思うものの、
ついつい使いすぎてしまわないか心配もありましたし、悪用されるのではないかという心配もありました。
タクシーに乗車してヘルシンボリアリーナに到着。
早速パワーリフティング世界選手権会場に入り、日本人がいる場所へ。
世界大会というのですから、たくさんの応援団や観客がいると予想していましたが、
残念ながら会場は閑散としていて、いささか寂しいものがありました。
競技そのものがメジャーではないのですからそれは仕方がないのだと思います。
アリーナのレストランで昼食をとることにしましたが、メニューはいささか貧弱。
正直言ってこれにはがっかりでした。
食後ふたたび日本勢の応援のため日本人が陣取っている場所に戻りました。
ところが、相棒が姿を消してしまいました。
「応援のためにわざわざここに来ているのに、なんで日本人が競技している様子を見て応援しないのか」といささか立腹。
ふと振り返った時、彼の姿を見つけましたが、一生懸命に携帯電話を操作している様子。
友人達とのチャットトーキングに熱中しているのだろうを思いましたが、なんのために今ここにいるのだと思っているのか。
かなり頭にき来て、もうこいつは無視して、競技が終われば一人でさっさと飯でも食いに行こうかと考えたり、
しかしそれは少し大人げないと考えたり。
いよいよ僕が応援のためにやってきた野村翔馬君の登場です。
僕は、しっかり記録を取って帰るという重要な任務を帯びていて、
携帯やらデジカメを駆使して写真と動画をできるだけ撮りたいのでした。
そのためには一人では当然限界があり、いまこそここで相棒の手伝いが必要なのでした。
しかし、彼には僕の願いの実現を補佐してくれるような様子はなく、がっかりするとともに、
なんでここまで連れてきたんだろうと思ってしまいました。
もう勝手にすればいいと思いつつ、写真や動画だけは撮ってほしいという旅の根本に関わることもあり、
「こっちに来れないのか?」とメッセージを送ってしまいました(送るか送らないか判断は難しいものでした)。
しかし、とにかく僕には、はるばるここに来たからには記録をしっかり取るという義務があります。
「写真を取ってました」とか、あるいは弁解がましいことをツウィッターに書き込んでいましたが、僕は納得できず。
野村君の競技が終わり、会場を出ることにしましたが、一人でホテルに戻るか一人でどこかでビールを飲みたい心境でした。
幸いアリーナの前にタクシーが止まっていたので、「Avairable?」と聞くと「OK」で、とりあえずヘルシンボリの駅に戻りました。
ブールを飲んで、憂さ晴らししたいばかりの僕で、前日目を着けたレストランに入りました。
しかし超満席。
やむなく別のレストラン、港に面したエリートホテル直営みたいなレストラン。
とりあえず席をキープして、飲み物のオーダーを考え始めた時、彼が「機嫌直してくださいよ」という仰天の言葉。
僕は彼がそのような言葉を発せる人間だとは思っていませんでした。
性格的に、なかなか本心の吐露が難しい人間だと思っていました。
その彼が、「機嫌をなおしてください」と口に出すのは、かなり彼としてはすごいことだと思い、
少し彼の弁解めいた言葉を聞いて、「もうその話は終わりにしよう」と温情を発揮してしまったのです。
ただ、「俺は人の心を行動で測り知るのが最善で、言葉で測り知ることはできない人間だ」とだけは付け加えました。
口では謝りながら、行動がまったくそれを示していない人間を僕はあまりにもたくさん見てきました。
うそつきの典型です。
心は行動でのみ推し量ることができます。
以前、僕に永い間ついてきてくれた青年がいました(彼は今ももっとも信頼できる人間です)。
彼は18歳か19歳のときに、僕に「ついて行きます」と言い切り、およそ20年間その言葉通りの行動をしてくれました。
僕も彼のサポートにこたえて一貫して彼を応援し、二人で一緒に色々な山や波を乗り越えてきました。
みなさん、言葉より行動です。
言うは易し、行うは難しです。
信頼は行動によって得られ、不審と別離も行動がもたらします。
さて、そのようないきさつをへて、とりあえずは僕は機嫌を良くして、ビールのグラスを重ねました。
陽気なスウェーデン人グループが隣の席に座り、あれこれ話しかけてくれました。
「Koreran?」という問いかけはうれしくなく、「Jaopanese !」とすぐに返答。
レストランを出て、近くのコンビニにより、酒のあてなどを買い込んで、ホテルに戻ることに。
コンビニで、日本語が少し理解できるスタッフに出会い、なぜか実に好感を持ちました。
懐の深そうな体格、人柄にまたもやスウェーデンが好きななったようでした。
ホテルに戻り、ふと、「僕はこいつの生き方の邪魔をしているのかも知れない」と反省をこめて思いました。
申し訳ないことです。
もしそうなら、出来るだけ早く彼を開放してやるべきだと思いながら眠りについたようでした。