日本人には近視の人がとても多いです。


いわゆる「目が悪い」と言われるやつですが、我々眼科医にとって、近視の人は「目が悪い」うちには入りません。

眼鏡をかけて視力が出る近視遠視乱視屈折異常と言って目の個性の様なものなのです。

本当の病気はぴったり合わせた眼鏡をかけても視力が出ない時。

これが本当に「目が悪い」状態です。



近視の中には軸性近視という種類があって、これはちょっと要注意なのです。





眼はご存知の通り、球体ですが、中にラグビーボールのように奥に長い眼を持っている人がいるのです。


原因として、ある程度は遺伝などその人の体質によるものですが、子供の時に近視が進むような生活習慣があると、軸性近視になりやすいことが分かっています。




ラグビーボールのような眼を持った軸性近視が強い人は、若い頃から分厚い眼鏡をかけなければならないド近眼になり、それだけでも苦労するのですが、なんと、年齢を重ねるごとに、緑内障網膜剥離黄斑変性といった、本当に「目が悪くなる」病気が起こってくるリスクが高いのです。



これらの病気に共通して言えることは、予防がなかなか難しく、早期発見、早期治療が大切だということです。



ひとつ、おすすめする習慣として、片目ずつ手で覆い隠して、片目ずつの見え方を定期的にチェックするのが良いと思います。



病気の初期の頃は両目で見ていると異常に気付かず、片目だけで見てみるとなんだか霞んで見えるところがあったり、歪んで見えるところがあったりして、おや?と異常に気付くことがあります。



和風のお家にお住まいの方は、片目だけで碁盤の目のような障子を見てみるのが一番異常に気づきやすい方法です。





そして最も確実なのは定期的に眼科を受診することです。
近視の方はコンタクトなどで半年おきの定期受診する方も多いでしょうから、その時にきちんと視力のチェックをしてもらい、その上で自分から希望して眼底検査までしてもらったら、完璧だと思います。



あとは人間ドックで眼底写真の検査があると、さまざまな異常の早期発見が可能です。





早期発見が大切!というのは万人に当てはまることではありますが、近視が強い方、ぜひ気をつけておいて下さいね。