大晦日ですね。
今日はオンコールなのでひやひやしながら待機中です。
今年1年を振り返ると、4月から新たに始めた小児眼科の分野において、学び多き1年となりました。
また機会を見て、ここでも子供の目の病気についてお話ししたいと思っています。
私は未婚で子供もいませんが、たくさんの子供達の診察を通して発見したことがたくさんあります。
一番は、アンパンマンの偉大さですね(笑)
細隙顕微鏡で診察するとき、
「ここ、覗いてみて。さっき診察したお友達はこの中にアンパンマンがいたって言ってたの。先生には見えないんだけど、どう?いるかな??」
物心ついてアンパンマンを認識し始めたらほぼ100%これでイケます(笑)
見えるわけないですよ、アンパンマンなんて。
でも、見えるらしいよ〜って言うとなぜか「見えた」って答えるんですよウケるー
ポイントは私は嘘ついてはいないってこと(笑)
物凄く真剣に覗いてくれるので、物凄く診察し易い
子供の場合は診察室に入ってきてすぐに診察を始めず、まずは同伴のご家族と笑顔でお話し(問診)して和やかなムード作りから始めます。
その後、本人を診察する前に、
「ちょっとお母さんにもここ覗いてもらう?」とか「このお人形さん、上手にできるかなー?」とか言って本人以外で細隙顕微鏡での診察が痛みを伴わないものであることを示します。
すると、子供の警戒心が少し和らぐのです。
押さえつけて診察すると、その時はどうにかなるのですが、トラウマが残ってしまうので、次来た時も、その次も、その後ずっと診察が大変になってしまうのです
ギャン泣きする子供を押さえつけて診察しながら、一番泣きたいのは診察している医師本人です
それから、子供に話を聞いてもらうコツはヒソヒソ声で話しかけることです。
もともと赤ちゃんは大きな声が苦手ですから、ヒソヒソ声で話しかける方が注目してくれるのです。
子供がいないから、男性だから、子供の診察が苦手…。小児科でもないのになんで私が診なきゃいけないんだ…。というのはただの言い訳だと思います。
眼科は老若男女、すべての人たちが患者さんになり得ます。
患者さんの気持ちになって、負担が少ないように工夫して診察するのは、相手が大人であっても子供であっても共通事項です。
来年も、どんな患者さんにも動じず、きちんと診察できる、そんなお医者さんでありたいと思います。