久々のブログ更新となってしまいました(汗)が、先日実施した植物観察会を紹介させて頂きます。



7月8日(土)、金蔵集落で植物観察会を実施しました。植物の案内には、石川自然史センターの高木政喜先生にお越し頂きました。植物観察では、ホタルブクロの花、ヤブカンゾウの蕾、オモダカ、キツリフネなどが見られました。
ヤブカンゾウは、水田の畔などで見られました。春先には新芽が山菜としても利用可能です。和え物にしても美味しいのですが、茹でるだけでも利用出来るので、利用は容易です。この日に見られたのは蕾でしたが後日、開き始めた花も見つかりました。今後は金蔵集落内でも、水田の畔で華やかな朱色~橙色の花を見かけることが増えるでしょう。

ホタルブクロの花は袋状になっていて、かつてはこの中にホタルを入れて提灯のようにして楽しんだ、とも言われることが、名前の由来です。ホタルブクロは、集落内のあちこちで見られました。後日、参加者の1人が別の場所でホタル観察をした際に、試しにホタルをホタルブクロの花に入れてみたそうですは提灯にするには、光の量が足りなかったようでした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%96%E3%82%AF%E3%83%AD


他、観察ルート内では希少種であるオオルリハムシ(石川県絶滅危惧Ⅱ類。シロネ、ヒメシロネ、ハッカなどを食草とする)の他、途上の水田ではヒメゲンゴロウ、キイロヒラタガムシ、アカネ属幼虫なども見られました。
オオルリハムシはコース内にある、民家の庭先に植えられたミントに見られました。通常は湿地で見かけることが多いのですが、ハッカと同じシソ科であるミントを利用しているのかもしれません。
http://eco.goo.ne.jp/nature/unno/diary/201306/1372237360.html
http://d.hatena.ne.jp/furekon/20110601/1306917165
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/sizen/reddata/rdb_2009/4_ato/kennsaku2/documents/5-69oorurihamusi.pdf





観察終了後には金蔵カレーを食べて頂き、一休みして日没後には、直売所近くの水田でホタル観察も実施しました。ここではヘイケボタルが見られました。既にゲンジボタルの出現は終わりかけていて、場所的にもヘイケボタルが優先するスポットでしたが、稀にゲンジボタルも見られました。ゲンジボタルはヘイケボタルより光が強い・点滅の間隔がゆっくり・体長が大きいことで見分けられます。ホタルを観察した水田の一部には水が残りやすいせいか、タニシやカワニナなどが多く見られました。


参加者の一部はゲストハウスに泊まり、翌朝にはスタッフと一緒に集落内の観察ポイントの下見に参加して下さいました。この時には行者谷という集落内の谷川と、溜め池の下見をしました。
行者谷ではサワギクの花、ウワバミソウ(ミズブキという名で、山菜として利用される)、ガクアジサイなどが見られた他、川ではヤマトクロスジヘビトンボ(ヘビトンボといって、トンボとは別の昆虫)幼虫、コシボソヤンマ幼虫、オニヤンマ幼虫、オジロサナエ幼虫などが見られました。溜め池ではギンヤンマやショウジョウトンボの他、アオイトトンボ属の新成虫が多く見られ、ちょっと覗いただけでも多くのトンボが観察出来ました。


この日は親子が多く参加してくれました。観察内容を少々詰め込みすぎてしまい、児童の参加者には少々大変だったかもしれず、その点は反省材料となりましたが、また参加したいとのご意見も頂きました。金蔵の自然を活用した同様の試みを、今後も続けたいと考えております。参加して下さった皆様、ありがとうございました。


この日の植物の一部です。
キツリフネ



ヤブカンゾウ


3月4日、七尾市で開催された中山間地域活性化フォーラムで、金蔵集落がブースを出して野草茶プリンなどを販売してきました。

このフォーラムでは、過疎高齢化や担い手不足などに悩む中山間地域の問題解決の為に、「農村と企業などの結びつきを深める」をテーマに開催されたものです。フォーラムの午前は鉈内地区やスギヨファームの農場がある能登島を回っての現場視察、午後に基調講演やパネルディスカッションなどのフォーラムが開催されました。更に会場では、県内の地域づくり団体6団体がブースを設け、特産品の販売を行いました。

金蔵集落は、野草茶プリン、棒ほうじ茶プリン、もちケーキ、抹茶ケーキ、野草茶を販売しました。2時間程度の販売時間でしたが、最初の1時間程度でまず野草茶プリンがほぼ完売して、それにつられるように棒ほうじ茶プリンも完売しました。持ち帰り用の5個セットも良く売れました。野草という健康的だが苦そうなイメージ、でも苦くもなくスッキリした甘さは、インパクトがあったようです。

会場には他にも、彼岸花オーナー制度を実施している津幡町興津地区の「興津地区を元気にする会」、金蔵を含む能登各地の棚田米を扱う能登棚田保全活動協議会、七尾市の鉈内ふるさとづくり協議会、加賀市山中温泉の百笑の郷、スギヨファームがブースを出していました。






・県の里山創成室などの担当者らと、金蔵集落の活動についてミーティング:
金蔵集落が生産している、野草茶プリンなどの産物の販売方法、利用されていない牧場跡の活用方法、金蔵御膳、耕作地放棄などについて話し合いが行われました。


・野草茶プリン
野草茶プリンというのは、金蔵集落が販売している「野草茶」(13種の野草をブレンドした、金蔵オリジナルのお茶)のうち5種の野草(クロモジ、ドクダミ、柿の葉、桑の葉、ヨモギ)をブレンドし、能登の搾りたて牛乳を使用した特製プリンです。この野草茶プリンは、2013年11月に金沢で開催された、いしかわ食のてんこもりフェスタで金沢大学地域ブランディング研究会の学生に売って貰った他(お昼頃には完売しました。同時に販売した「もちケーキ」は、開始から1~2時間程度で売り切れました)、現在では柳田荘や、千枚田の道の駅で販売を行っています。現在は休止中の寄り道パーキング金蔵でも、春の再開後には勿論、野草茶プリンを販売します。
特に千枚田の道の駅での売れ行きが良いことから、金蔵集落としては野草茶プリンの生産と販売に力を入れたいところではありますが、現在の集落だけでは人員が足りません(特に農繁期の人員確保が困難)。今後は金蔵や周辺の集落への移住者を雇用しての生産人員確保も、視野にいれる必要があるでしょう。
他に、野草茶プリンの販売拡大についても、意見交換が為されました。金沢など販売網を広げたいという要望に対し、現在販売している千枚田や金蔵など地元と近隣で足場を固めるべきとの意見が挙がりました。金蔵集落の活性化の為にも、今勢いづき始めている特産物の販売を是非広げていきたいものです。


この日は他に、幾つかの金蔵集落の課題と今後の活動についての意見交換が行われました。


昨日の記事に続き、最近の出来事について触れていきます。


・狩猟免許(罠猟)の受験:
奥能登は明治以降頃から大型獣が分布していないことから、本来は獣害の少ない土地でした。しかしこの数年の間に猪は珠洲市まで北上してしまい、この2年程で奥能登における獣害の発生が問題となり始めています。金蔵および周辺の集落でも猪の目撃情報は相次いでおり、山間部の集落の水田では深刻な被害も聞かれています。西日本の限界集落では、猪害によって放棄された集落もあると聞きます。
能登では現在、狩猟免許を取得する農家が増加しています。この2年程の間に奥能登で捕獲された猪は僅か2頭であり、これは奥能登における猪の個体数はまだ少ないとも思われますが、だからこそ今の間に出来る対策を始めなくてはなりません。過疎高齢化と限界集落化に悩む能登の農村において、今後の獣害対策は必須となるでしょう。

ブログ担当の私は2月16日・17日の日程で金沢に滞在して、狩猟免許(罠猟)の試験を受けてきました。初日は猟友会メンバーによる講習、2日目は筆記と実技試験です。試験では筆記(鳥獣保護法などの知識、など)、実技(罠猟の扱い、法定猟具の見分け)、狩猟動物の見分け、身体能力の判定などがありました。講習と試験は罠猟だけではなく、網猟、銃の受験者も同時です。人数はおよそ100人、少ないながら女性の姿もありました。20~30代の受験者も少なくありません。
狩猟では、保全上の理由により狩猟可能な鳥獣は限られます。また、狩猟方法や狩猟道具などに対して様々な規制が設けられます。更に猟銃の所有ともなれば、犯罪抑止(銃の所有を認めて問題がないかどうか、厳しく問われる)や銃刀法の関係により免許取得の上ではハードルが大きく上がります。狩猟免許を取得するということは、同時に様々な責任も生じることを実感した2日間でした。


・集落内の自宅葬に参加:
先日、金蔵集落内で自宅葬がありました。自宅葬では、地区の住人が葬儀の準備から進行、片付けまでの殆ど全てを行います。葬儀で振舞われる食事なども、地区のお母さんやおばあちゃん達が準備しました。
都市に比べ田舎の住宅は大きい、とよく聞かれますが、能登の住宅も例に漏れず大きく、冠婚葬祭にも利用されます。特に和室は戸を外して1つの広間として利用出来るようになっています。今回手伝いに来られた地区住民の1人も、自宅で結婚式をしたそうです。
奥能登でも少なくなった自宅葬ですが、今回は能登の伝統的な葬儀とその継承に触れる貴重な機会であったと共に、移住者である私が地域住民として受け入れて貰う大切な機会ともなりました。
故人は98歳の御高齢でした。この場を借りて、改めてお悔やみを申し上げます。

今回の記事では、この1週間~10日程の間にあったことを、まとめてみました。


・里山里海マイスターの講義を聴講:
里山里海マイスター育成プログラムは、金沢大学の里山プロジェクトという取り組みの1つであり、金沢大学と石川県、奥能登の2市2町(輪島市、珠洲市、能登町、穴水町)が実施する、能登の里山里海を支える人材育成のプログラムです。
金沢大学と金蔵集落には、様々な関わりがあります。里山プロジェクトの1つである「里山アクティビティ」は金蔵で様々な活動を実施してきました。金蔵集落では金沢大学による集落についての研究、生物多様性についての調査も行われてきました。更に私事ではありますが、ブログ担当の私は、前身プログラムである「里山マイスター」の修了生でもあり、金沢大学の連携研究員という活動もしています。
里山里海マイスターの講義は2週間に1回、珠洲市にある金沢大学能登学舎で行われます。今回の講義は「社会調査概論」と題して、集落調査の方法論についてでした。講師をされたのは、スタッフで文化人類学者のシュクル・ラフマン氏、金沢大学連携研究員の堀内美緒氏です。シュクル氏は文化人類学の概要と調査手法について、堀内氏は金蔵集落七尾で実施した集落の調査手法(聞き取り調査など)の講義をされました。


・ふくしま・かなざわキッズ交流キャンプのスタッフ打ち合わせ:
このプログラムは、いしかわ自然学校のインストラクター有志により始まった、福島第一原発事故で今も悩む福島の子供達と家族を石川県に招き、金沢の子供と福島の子供の交流と保養、支援の輪を広げることなどを目的としたキャンプです。
キャンプは石川県各地で実施されており、3月終わり頃には輪島市での実施も予定されているとのことです。ブログ担当は、自身の専門分野でもある、奥能登の生き物観察の案内で参加予定です。3月終わり頃であれば、クロサンショウウオの繁殖活動(以前のブログでも紹介しました)、アカガエル類の繁殖活動の他、既に水生昆虫の活動量も増え始める頃です。生き物観察では、金蔵の溜め池を覗いてみようと考えています。
(続く)