昨日、一昨日と、祖父母の家に行ってきた。

私の(父方の)祖母はアートフラワーのお師範さんだ。
アクセサリーを作るようになってから、材料やなんかで机いっぱいに作業してると父は決まって「ばーさんの孫だなぁ」と、微笑ましく見ている。

そんな祖母にアートフラワーをいつかきちんと仕込んで欲しいとずっと思っていたし、祖母も「後継者になっておくれよ」(なんて大層な表現だこと!)と、常々言っていた。

それは私が美術の大学に入ってからずーっと言われていたけれど、結局ずるずると今までキチンとしてこなかった。

一昨年くらいから、アクセサリーを自分でも作り始めてからというもの、仕込んで欲しいという思いは強くなって昨年あたりから真剣に習おうと離れて住んでいる祖父母の家に行く度に「今回はお稽古してもらうために行く」と、胸に抱いて訪れていた。

とは言うものの、結局いつもやらず仕舞いで帰ってくる。

なんでかと言うと、祖父母の家に着いたら疲れちゃって一休み。から始まって、足腰が随分悪くなっている祖父母の代わりにお風呂のお掃除をしよう。なんて始めると、あっちも目につき、こっちも目につき、お風呂からトイレ、階段、リビング、お台所も!あ、ついでに冷蔵庫も。あと、製氷機のタンクも洗おう!なんてことになってしまい、あっという間に夜になってくたびれてしまって、祖母と一緒にお風呂に入って、おやすみ。

と、一日を過ごしてしまう。

だから、今回の訪問では必ず何か収獲して帰ってこようと決めていた。

果たして、いつもの通りぐだぐた過ごしてお稽古をつけてもらわず帰る時間になってしまった。

たった一泊ではなかなか時間的にも難しい。と、踏んだ私は祖母の本棚からアートフラワーの教則本をさらってきて、布もかっさらってきた。

ちょっと前までは「これはおばあちゃんも使うから持ってっちゃダメ」と、なかなか借りられなかった本も、なんだかんだ話しているうちに借りてくることに成功した。

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ひとまず、これを宿題にして本を一通り読んで、布を型紙通りに切って、次回祖母の元に持って行ってまたそこから先の作業を進めて。といった風に、細切れだけど少しずつ習得して行くことにする。

幼い頃から、お手伝いをしていた(させられていた?)おかげで粗方の流れは分かる。
何度となく作ったこともある。
だけど、決定的に知らないこととしては材料の名前、素材の使いこなし方、組み立て方の種類など。

祖母が用意した材料を、筋道立ててもらって作るのではなく、自分で、使う布の種類から選んで一から進めていくのは実は初めてだと気付いてちょっとびっくりしたけれど、基礎の基礎を学ぶのは大事だから、好みによらず初級ページのお花から順にキチンと作っていこうと思う。

祖母の元に行かなくても作れそうなものは、順に作っていこうと思う。

身近な人の有り難みっていうものはあまり気が付かないものだけれど「いつか、いつか、そのうちに」なんて言ってる間にその「いつか」が来なくなってしまう事がある。
このアートフラワーだけは「いつか、いつか」で終わらせたく無いので、今の時を大事に学んでいこうと思う。