今年もこの時期です。

事務書類処理が苦手な私は
毎年、この時期になると、
「書かなきゃ~」て騒ぐ割に
取りかかれない。

ある年のある朝、例によって私が
「やらなきゃ~。
     私、ホント苦手なんだよね。」
と言うと、夫が
「俺、事務に持ってって、
       聞きながら書いてるで~。
親切に教えてくれるし、
       その場で完了するぜ。」

初めてこのアドバイスを実践したのは、
奇しくも夫が亡くなって、様々な手続きをしたときだった。

激しい哀しみが刻々と押し寄せてきた
あの時期、同じように押し寄せた書類の波
私はすぐに判断した。

「これは私1人では、
       到底出来ることではない。
 哀しみで傷ついた精神状態では
       あれこれ考えるのも無理」

書類一式を事務に持ち込み、
指示を受けながら、
ひたすら書いた。
心を無にして書かないと
やっていられなかった。

何度も何度も夫の名前、住所、
生年月日、死亡年月日を書いて、
思ったより早く済ますことが出来た。

「やれやれ。
これだけの書類の山を
片付けたのに、
達成感の微塵も感じない。
こんな雑務は他にないね。」

これはもう、経験した人じゃないと
分からないと思う。



そんなことがあったから、
今回の年末調整の書類も
名前、住所など
分かるとこだけ記入してから
保険のはがき類をまとめて
事務室に。

「お仕事中、すみません。
  分からないので教えてください。」

事務の人にしてみたら
書類を書いて出してもらわないと
仕事にならない。
書いてもらうのも仕事のうち
なのかも知れない。

これまで何度か提出期限を守らず、
催促の手間まで掛けてしまったことを
反省した。

教えてもらうがままに
何も頭を悩ますことなく、
5、6分で書き終え、
そのまま提出して
事務室をあとにした。



お父さんのやり方、良かったよ。
いいこと教えてくれてありがとね。

お父さんが、にこやかに
時には 世間話などしながら
人と楽しくコミュニケーションとりながら
こんなことしていたんじゃないか、て
想像したよ。

人から、
こわもてだけど
実はやさしい人
て、思われて

頑固だけど
実は憎めない人
て、思われて

愛されキャラだったね。


お父さん…



年末調整の書類、



配偶者の有無



無に○するの


本当に嫌だったよぉ…。