彼女の家族の中で
唯一Uさんだけが
霊を視ることができた。
幼稚園では
霊の話をしても信じられず
いじめや無視にあっていた。
そのため
Uさんは霊が視えることを
家族以外には秘密にしていた。
小学生になった
Uさんの近所に
Kさんが引っ越してきた。
Uさんと
同い年だったこともあり
すぐに仲良くなった。
実はKさんも
霊を視れる人だったが
Uさんほどの力はなかった。
またイジメられるかも…
そんな懸念があり
視えることは
Kさんに内緒にしておいた。
Kさんはやんちゃで
兄貴分なところがあった。
Uさんの弟も
一緒になって
よく3人で遊んでいた。
しばしば心霊スポットを
巡ることもあった。
Kさんは
自分の能力に
自信を持っていて
霊に襲われそうになったら
すぐに逃げることができると
いつも息巻いていた。
実際
それまで何とかなっていた…
Uさん達が小学3年生の頃。
KさんはUさん達を
地元で有名な
心霊スポットに誘ってきた。
そこは何年か前に
空き家になった一軒家だった。
学校が終わった後。
一度Uさんの家に集合し
カバンを置いて
心霊スポットへ向かう。
普段は手ぶらで出かけていた。
ただその日だけは
お守りと塩を持って
出かけることにした。
心霊スポットに着く。
2階建ての一軒家だった。
Kさんによると
その家の2階のトイレに
霊がいるようだ。
玄関前
Kさんの話を聞きながら
Uさんは
家の至る所から
3人を覗く霊たちの
指すような視線を感じていた。
ポケットに入れていた
お守りを強く握る—
恐怖を感じつつ
玄関を開けて中に入る
Kさんの後に続く。
家に入ると
玄関に複数の霊が立っていた…
体中の血液が凍るほどの寒気—
とっさに
持っていた塩を投げつけ
Kさんと弟の手を引いて
走って逃げた。
その一件以来
Kさんとは疎遠になってしまった。
ただ唯一弟だけが
理解をしてくれたことが
Uさんにとっての救いだった。
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