子どものMRI検査の付き添いで
朝から病院に来たNさん。
 

子供に鎮静剤を飲ませて
寝かしつけを行っていた。


 

ただ、そんな時に限って
中々子供が寝てくれない。
 

いつもと違う環境で
警戒しているようだった。
 

一瞬寝ても、些細な音で
すぐに起きてしまうのだ。



寝かしつけに格闘すること2時間ほど—
たまたま、その日のMRI検査の予定がなくなったとのことで、
検査装置の台上で直接子供を寝かせることになった。


MRI室には機械音や空調音などの音が響く。
そのせいで余計に
子供の寝つきは困難を極めた。
 

寝ないと検査ができない
 

Nさんは半ば再日程を
覚悟し始めていた。



その時、一人のスタッフさんが

部屋に入って来た。
 

子供の寝かしつけを
一緒にやってくれた。
 

慣れた感じで

子供の不安な気持ちを薄めてくれたようだ。


 

そのおかげで

子供は徐々に大人しくなる。
 

気が付けば、寝息を建て始めた。
何とか検査が出来そうだ。


 

すると、主治医が部屋に入って来た。
 

子供の様子を確認し
眠りが深くなったら
検査を始めましょうと準備をはじめた。


 

子供を台座に固定して
耳当てをして検査を開始した。
 

いつの間にか
先ほどのスタッフは見えなくなっていた。



検査の準備が出来た。
 

主治医は、
「私は外に出ます。Nさんは中にいて下さい」
と言い、異常時に

部屋の外に連絡するためのボタンをNさんに渡し、
MRI室から出て行った。



装置は筒状で
向こう側の壁が見える作りだ。
 

台座に固定された子供が
検査装置の中に入っていく。
 

その先に視線を向けると
向こう側に先ほどのスタッフさんが見えた。


 

検査が始まり
部屋の中に大きな音が響く。
 

装置内の子供の様子を覗くと
先ほどのスタッフさんが
子供の頭を抑えてくれていた。



検査は無事に終り
主治医が部屋に入ってきた。
 

主治医にお礼を言い、

先ほどのスタッフにもお礼を言おうと…
 

そこで気が付いた。

主治医以外

部屋に出入りしていなかった。



検査後
子供に何も異常は出ていない。
 

単に優しい霊だったんだな
と思うことにした。
 

ただ一つ余計だったこと―
Nさんはこの日を境に
視える人になってしまった…

 

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