10年ぶりに
実家に帰ったBさん。
 

たまたま仕事が落ち着いたので

久しぶりに帰省することにしたのだ。
 

ちょうど地元のお祭りの時期だった。



都会の自宅から

田舎の実家へバイクで帰る。
 

地元に入ると

懐かしい心地よさがあった。



実家へ帰る途中
毎年お祭りを開催する神社の前を通った。
 

お祭りの準備で忙しそうにしていた。



なんとなく、実家に帰る前に
この神社にお参りしに寄った。
 

鳥居をくぐる前に会釈をし
手水舎で手水の作法をしてお参りをした。



翌日。
 

昼過ぎから始まっている

お祭りに参加した。
 

記憶の中にある祭りと遜色ない光景に
Bさんは懐かしさを感じた。



神社の境内はひじょうに賑わっていた。
 

過疎化が進んだ田舎のはずだったが
そこには10年前に見た賑わいがあった。
 

いや、何かがおかしい。



どう考えても、人が多すぎる。
 

広くない境内が尋常ではない人混みと
熱気であふれている。
 

お店の数も

記憶の中の祭りより倍以上はありそうだ…


 

そこでBさんは気が付いた。
屋台がおかしい。
 

見たことのない文字で書かれた看板。
屋台に並んだ商品も

見知ったものが一切ない。



よくよく辺りを見回すと
飛び交う言葉も
聞き覚えのない言葉だ。


そして人々の顔は
目も鼻も口もぼやけている…
 

まるで
のっぺらぼうみたいだった。


 

状況を理解できず混乱していたところ
手水舎が視界に入った。


直観的に走っていいき

手水の作法を行った。



すると一瞬

めまいのような感覚が襲ってきた。
 

気が付くと、辺りは夕暮れ時。
 

Bさんは静かな境内に立っていた。


スマホで時間を確認する。
昨日、帰省する前に

神社に寄った場面に戻ったようだった。
 

状況を理解できない。
 

ただ明日は

ゆっくり実家で過ごすことに決めた…


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