夏休みの度

田舎のじいちゃんちに遊びに行くB君。
 

じんちゃんは山ひとつ持っていて

山の中にある畑で農作業をしていた。
 

Bさんはよく一人で
虫をとったり

川で魚やカニを取ったり
枯れ木を使って

秘密基地を作ったりして遊んでいた。



お腹がすいたら畑の方へ降りて行って
じいちゃんと一緒におにぎりを食べていた。
 

山はそれほど大きくなく
危ない場所もほとんどなかったので
 

じいちゃんも両親も
安心して一人で遊ばせていたようだ。



その時も

いつものように山で一人で遊んでいた。
 

ちょうど秘密基地を

広くすることにハマっていて
 

使えそうな枯れ枝を
山中から広い集めていた。



枯れ木集めの途中。
大きな木の根元に
見慣れない小さな祠を見つけた。


祠の中には

小さなお稲荷さんが祭ってあった。
 

子どもながらにも

山の守り神だと理解して
ポケットの中の飴玉二つをお供えした。



良い枯れ枝が見つかりますように
などと願掛けして

また枯れ木探しに戻った。
 

枯れ木探しに夢中になって
気が付くと、辺りは少し暗くなり始めていた…


慣れている山とは言え
夜の山は流石に怖い。
急いでじいちゃんのところへ帰ろうとした。



ところが
どこかで道を間違えてしまったようだ。
 

気が付くと、知らない場所にいた。
 

今まで来たことがない場所で

帰る方向の検討がつかない。
 

周囲はどんどん暗くなる。
 

B君は焦りながら
山の中を必死に走った。
 

すると、目の前に崖が―



B君が崖から落ちる寸前
後ろからグイっと引き寄せられて事なきを得た。
 

助けてくれたのはじいちゃんだった。
 

暗くなっても戻らないB君を心配して
じいちゃんが山の中に探しに入って来てくれていた。



山に入ってすぐ

急に二匹の狐が現れて

ここまでの道案内をしてくれたらしい。
 

翌日じいちゃんと一緒に
油揚げを持って例の祠へお供えにいった。
 

それ以来この山で遊ぶ時は
お供え物とお参りをしてから
 

遊ぶようになったそうだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【YouTubeショートverはこちら👇】

 


【stand.fm verこちら👇】

 

https://stand.fm/episodes/6614fe65b87c8a1a848651b7