子どもが好きなAさん。
よく近所の公園で

紙芝居を披露していた。



お手製の紙芝居は
近所の子供達に評判で
週末の夕方に公園に行くと、
自然と子供達が集まってくる。



紙芝居は、
童話やおとぎ話をベースに、
少しアレンジしたものだった。
 

それが
子供達にうけていたらしい。


 

ある日—
 

Aさんがいつものように
公園で紙芝居をしていた。
 

一枚、また一枚と
ページをめくる。
 

しかしその中に、
一枚だけ違う紙があった。


 

それは写真だった。
紙芝居をしているAさんの

背後から撮影されている。
 

撮られた記憶も、

紙芝居に追加した覚えもない。



不思議に思ったが、
普段からアレンジした
紙芝居をしているからだろう。
 

子供達に気にした様子はない。
無事に紙芝居を終えた。


 

帰宅してから、謎の一枚を探す。
 

だが、どこにも見あたらない。
…気のせいだったのか?


 

翌週末。
公園に出かける前に、
紙芝居を確認する。
 

全てAさんが
準備した紙芝居だった。


 

公園へ行き、
いつものように紙芝居をする。
 

だが、紙芝居の半ば。
また一枚違う紙があった。
今度も写真だった。


 

前回と同様、
Aさんの背後から撮影した写真だった。
 

その写真に気になる点があった。

今まさに撮影したかのような写真だった。
ただ、その中の2人の子共にだけ、
黒い靄が重なっていた。


「早くつづけてよ!」
 

 

写真について考えて、

紙芝居が止まってしまった。
 

一旦読み切ってしまおうと
気持ちを切り替え、
紙芝居を終わらせた。



一旦子供たちを解散させ、
その場ですぐに
紙芝居の中身を確認した。
 

だが、不思議な一枚は見当たらなかった…


 

そう言えば…
前回の写真にも黒い靄のようなものがあった。
 

あの子はたしか…。



まだ近くにいた子を呼び止め、
前回の写真で

黒い靄が重なっていた子のことを聞いた。
 

その返答を聞いて
息が止まってしまった。



先週の紙芝居の後、
帰宅中に車に跳ねられたと—
 

偶然に違いない…
 

でも……


 

もしあの写真のせいで
子供が事故にあうとしたら…
 

翌週から、Aさんは二度と
公園に表れなくなったそうだ。

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