蒸し暑い夏の夜。


部活でくたくたになって
帰って来たCさん。
 

その日は夕食もそこそこに、
お風呂に入ってすぐ寝付いた。



兄弟で2人で使っている部屋には

二段ベットが置いてあり、
 

Cさんはいつも
上の段で寝ていた。



ベット横の窓を開け
網戸をセットする。
 

レースカーテンは全開にして
ベットに横になった。



疲れから、すぐに眠りに落ちた。
その夜、急に目が覚める。
 

「あ……」
 

金縛りだ。



目を覚ますと横向きで、
 

右手はベットのハシゴ階段側へ
だらんと垂れている。
 

その状態で体が動かない。


 

初めての金縛り。
 

体が全く動かない。
 

すると、
足元のほうから気配を感じた。



目で気配を追う。
 

黒い塊がいる。
 

そいつが

足元から胸元へ登ってきた。
 

すると急に、ぎゅーっと
胸を締め付けられる。



やばい—
 

動かない体で
なんとか必死に抵抗する。
 

すると、
胸の締め付けがなくなり、
黒い塊はまた移動し始めた。



黒い塊は、
胸、肩を通って右手の先へ移動。
 

今度は右手を引っ張られる。
 

体がベットの下の方へ
引きずり落とされそうになった。



二段ベットといえ、
顔から落ちると一大事だ。
 

少しだけ動く左手で

ベッドの柵を押して
必死に抵抗した。



黒い塊との綱引きは数分か、数十分か。
 

急に引っ張る力が消えた。
反動で体は勢いよく左側に回転した。


仰向けで、息を整える。
アレはなんだったんだ
 

すると、視線の端に

黒い塊が見えた。


今度はカーテンレールの上にいる。
そいつが端の方から、
レールに沿ってゆっくり近づいて来る。


そいつの動きに合わせて、
全開にしたレースカーテンが
ゆっくり閉まっていく。
 

—また襲われる!?


…気が付くと朝だった。
 

どうやら無事らしい。
寝起きなのに疲労感がひどい。



ふと、目線を窓に移す。
 

レースカーテンは完全に閉まっていた...


この奇妙な体験。
なぜか翌日も、全く同じことが起こった。

あの黒い塊はなんだったのだろうか...

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