Nさんは歯の痛みに悩まされていた。
どうも虫歯になったらしい。
 

お酒を飲んで、そ

のまま寝落ちばかりしているせいだろう。



仕方なく数年ぶりに
歯医者の予約をした。
最近できた、評判のいいところだ。



早速予約を取って
歯医者へ向かう。
 

スムーズに診察室へ通された。
先生は若い男性だった。



歯の確認をすると、
やはり虫歯だった。
 

先生は笑顔で
「痛くないようにします」と言った。



歯を削って型をとり
仮の型をはめる。
 

一週間後に再診の予約を取り
病院を後にした。


 

その翌日から不思議なことが起こる。
 

家に帰ると、ものの配置が微妙に違う気が…
気のせいと思うことにした。



歯医者の再診。
 

型をとった詰め物は
すんなりはまった。
 

治療はあっさりと終わった。



Nさんは病院終りに
そのまま友達と遊びに行き、
その日の帰宅は夜中になった。



帰宅して玄関の鍵を空け...
 

「鍵が…開いてる?」
 

いや、絶対に鍵をかけたはずだ。



心臓がバクバクする。
 

玄関に耳を当てて中の様子をうかがう。
 

ガサゴソと音が聞こえる。


 

急いで警察に電話。
しばらくして、警官が到着。
 

事情を説明すると、
警官が部屋へ入って行った。



中には男が一人いた。
 

現行犯で逮捕。
手錠をかけられた男が家から出てきた。


「あ……」
 

歯医者の先生だ。


翌日に再度立ち合いをすることにして、
その晩は軽い立ち合いだけしてお開きになった。

 

すぐに友人に電話し、
その日は友人宅に泊めてもらった。


 

後日、警察からの話—
 

あの先生は、
気に入った患者の詰め物の中に発信機を入れて、
生活をのぞき見するのに利用していたそうだ。



すぐ別の歯医者で詰め物を作り直した。

それ以来Nさんは、歯磨きは欠かさないそうだ。

 

 

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