女子会に呼ばれたEさん。
友人の家に数名の友人達と
一緒に集まった。
初めて入ったその友達の家。
そこには、実家からもらったという
立派な三面鏡があった。
その装飾は豪華で、
とてもきらびやかだった。
年代もので、とても高価なものに見えた。
友人が言うには、
彼女の祖母から
代々受け継いでいるそうだ。
鏡について、
友人は自慢気に語っていた。
由緒正しい...地元の豪族で...
なかなか歴史があるらしい。
その友人の声は、右から左にぬけていた。
Eさんは妙にその三面鏡が気になって、
その鏡から目が離せなくなっていた。
いつの間にか三面鏡の話は終わっていたらしい。
コップやお皿を並べて女子会が始まった。
〇〇が△△と付き合った―
今□□を狙ってる―
××は二股してるらしい―
女子会は大いに盛り上がり、
Eさんはいつしか三面鏡のことを忘れていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去り、
女子会がお開きになった。
友人達は帰宅して行く。
家が遠かったEさんだけが泊めてもらうことになった。
座布団とタオルを借りて、雑魚寝のように
横に並んで眠ることにした。
夜中。Eさんは目を覚ました。
「あ……」
金縛りだった。
体が動かない。
横向きに寝ていたEさん。
顔が三面鏡の方を向いて寝ていたらしい。
(え……、うそ…)
三面鏡が開いている。おかしい。
寝る前は閉じていて、カバーもかかっていたはずだ。
鏡の前に、赤い着物を着た女性が座っている。
髪をとかしいるようだ。
暗くてはっきり見えない。
その女性は
鏡越しにEさんをじっと見つめているようだった。
動くことが出来ず
そのまま女性と見つめ合う。
数分か数十分か。
女性は突然すっと立上る。
Eさんの枕元へ歩いてきた。
その女性がしゃがんでEさんの顔を覗き込んできた。
その顔は目も口の中も真っ黒だった。
その瞬間、Eさんは気を失ってしまった。
翌朝、友達に起こされた。
鏡を見ると、カバーをかけられている。
これ以降、二度と友人の家に入ることはなかった。
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