深夜、彼女は疲れた体を引きずるように

自宅マンションへ帰ってきた。
 

重い足取りでロビーに入り、

エレベーターのボタンを押す。
 

数秒後、エレベーターの扉がゆっくりと開く。



彼女は中に入り、自分の階のボタンを押した。
扉が閉まり、

エレベーターは上へ上へと昇っていく。
 

すると突然、エレベーターが急停止。
直後に照明が消え、非常灯が点灯した。



「停電か?」
 

恐怖よりも家に帰れないイラつきから、
非常ボタンを連打する。
 

しかし、反応がない。
 

それから数分経っただろうか。
エレベーターの天井の方から

「ガタっ」と音が鳴った。



天井を見上げると、蓋が少し空いている。
 

すき間から、
何か黒い靄のようなものがゆっくりと
エレベーターの中に入ってくる。
 

 

背筋が凍る。


突然、電気が復旧した。
彼女はすかさず、すべての階のボタンを連打。
 

すぐに最寄りの階に止まり扉が開く。
彼女は急いで飛び出した。


後ろを振り返ると、
黒い靄は

大型犬ぐらいの大きさになり

中央でモゾモゾと動いている。

 

そして、扉は閉まっていった。
 

あれは一体…
 

それ以降、彼女は夜に一人で
エレベーターに乗ることはなかったそうです。

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