これは、Mさんが海外赴任した時の話です。
 

日本では珍しい地下室付の滞在先で、

Mさんはとても楽しみにしていたそうです。



引越しの当日。
 

荷物を受け入れ終わって一息ついた時、

すでに日が沈みはじめていました。
 

ふと地下室のことを思い出し、

早速見に行くことにしたそうです。



海外にありがちなテキトーさで、

電気が通るのは翌日でした。
 

仕方なく、スマホのライトを頼りに

階段を降りることにしました。
 

地下室へ続く扉を開ける。
すこし埃っぽくじめっとした空気。



階段を降りて地下室に入ると、
暗闇の中に棚のようなものが見えたそうです。
 

その時、

何かが奥の方で動いたような気配が。
影のようなものが視界の端を横切ったような…



と同時に、ライトが突然消え、
直後に耳元で低い男の声で
「出て行け」と聞こえました。



Mさんは慌てて階段を駆け上がり、

地下室のドアを閉め鍵をかけました。
 

それ以来、地下室には一度も行かなかったそうです。
 

今でも『何か』が

その地下室に居ついているのでしょうか…

 

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