1月28日(日)に、百巓句会の吟行句会がありました。毎月第4日曜日に開催していて、今回で第3回になります🌼


今回の吟行地は、北杜市津金(つがね)にある旧津金学校と津金の棚田。


吟行メンバーは5人。その他3名の方より欠席投句を頂いて、総勢8名での句会になりました。


10時半に旧津金学校駐車場に集合。前日の大寒波とは打って変わって、まさに「寒晴れ」という感じでした。メンバーに晴れ男&晴れ女がいるので、今のところ吟行は無敗のお天気!寒晴れの山々がすがすがしい。


▲寒晴れの甲斐駒ヶ岳と津金の棚田


当初の予定では、旧津金学校を見学した後、おいしい学校で昼食、棚田を歩いてから句会場へ…という流れを考えていたんですが、

なんと❗️この日は北杜市全体で野焼きをする日だったようで、あちこちの畦や畑から煙が‼️



▲野焼きの煙と八ヶ岳


野焼きは天候に左右されるので、吟行時にはねらってもなかなか見られない貴重な景色。メンバー一同、興奮を隠し切れません。


野焼きは、枯草を焼いて春先の草萌えをよくすることや、害虫の卵や幼虫を退治することが目的で、春に行われることが多いそう。この地域ならではの厳冬期の野焼きが見られるなんて、本当にラッキーでした✌️


野焼きが終わってしまう前に、まずは津金の棚田を満喫するべく、予定を変更して旧津金学校から棚田へと足を運びます。


▲野焼きの炎


燃えてる、燃えてるー!!こんなに間近で炎が見られるなんて✨焼いている近くには水のタンクを背負った野焼き守りが必ず待機。


▲消化した後も、絶えず煙が上がる


消えたと思っても、ふとした風の流れで火が立つ様子が面白くて、一句拾いました。


●野火風に消されて風に熾(おこ)されて


「火って本当に不思議だよね。上がる火の粉に同じ形はひとつとない…」とぽつりとつぶやいたメンバーの言葉と、踊る火の粉が目に焼き付いて、時を忘れて野火を見つめてしまいました。


遠くに野焼き守の姿も。まるまるとした猫も落ち着かない様子で棚田を徘徊していました。

素晴らしい景色を見てはいても、俳句はさっぱり。おなかが空いては良い句も出来ませんので、「おいしい学校」にてお昼ご飯。


昔懐かしい(平成生まれの筆者には新しい)アルマイトのトレーに、ほうとう、かき揚げ、サラダのランチプレート。お箸がなくて、スプーンだけで食べる所も昔の給食を忠実に再現しているそう。瓶の牛乳も懐かしい〜。



▲カレープレート

カレープレートのカレーは、学校給食にしてはスパイシーなカレーで美味しかったです。

「アルマイトのトレーは汁物をいれると熱くて持てないくらいになってね…」「スプーンでサラダ食べるの大変だったのよね」

…という会話で盛り上がりながら、俳句のことは綺麗さっぱり忘れてお昼ご飯を満喫。

さて、句作、句作!💦
気を取り直して、旧津金学校へ。

明治校舎が明治6年に開校してから、明治・大正・昭和の三代に渡って建築された校舎が並ぶ、旧津金学校。大正校舎は新築復元、昭和校舎は取り壊されて、今はおいしい学校として、食事処や直売所として利用されています。


今は資料館として見学出来る明治校舎は、日本の伝統的な建築技法を用いながらも、いち早く西洋風の外観を取り入れた、擬洋風建築。青塗りの柱やテラスや両開きの窓が目につきます。文明開化の波が色濃く反映されています。



▲旧津金学校校舎。青塗りの柱や窓が目につく


▲明治学校内の教室風景。椅子も机も小さくて可愛らしい

明治学校は解体復元され、昔のままの外観を維持。今でも当時の様子を知ることが出来る貴重な文化財になっています。



▲1階展示コーナーのレコード盤


レコード盤もドーナツ盤も馴染みがない私ですが、歴史の詰まった古いものって何か語り掛けてくるものがあります。冬日もやさしく寄り添っていました。


●ドーナツ盤積まれ冬日の旧校舎



▲入り口にはオルガンと紅白の梅の花も


そしてもう一つ、明治学校に特徴的なのが、最上階に建てられている太鼓楼(たいころう)。教会では鐘を鳴らしますが、ここで鳴らすのは太鼓。太鼓楼で鳴らす太鼓の音が、学校の始業や終業を知らせていたそうです。



▲太鼓楼の太鼓


▲太鼓楼から見る甲斐駒ヶ岳。屋根の上は絶景!



▲太鼓楼へ続く階段

昔の校舎なので手摺がなく、めちゃめちゃ急です。登る時は意気揚々と登れましたが、降りる時が怖い…💦


●手摺なき階段冬日転げくる


明治の初めに、現在の北杜市の地域でも盛んに学校が建てられたそうですが、他の校舎は焼失したり立て直されたりして、残っている古い校舎はここ津金学校だけ。


ムム…!? 1階の展示コーナーにサトちゃんムーバーなるものが!

▲サトちゃんムーバー

40kg以下の子どもはサトちゃんに乗れます♪


100円入れると動き出します。乗り始めはご機嫌だった娘も、急な動きにびっくりして大泣き…。


お口がへの字になってしまいました…。まだちょっと早かったね💦


津金は何度も吟行に来ていますが、今回吟行の冬の津金もすごくすごく良かったです。


▲秋の棚田の様子


秋は稲穂の上を渡ってくる風がさわやか。夜にはきっと田毎の月が見られるんでしょうね〜。メンバーと、「俳句合宿をして、満点の星の下で夜の棚田を見てみたいね」なんて夢が膨らみました。


津金の棚田は本当に一年を通して吟行に来たい場所、北杜に来たらぜひ一度はいらして頂きたい場所です。


明治から続く学校も、畔焼きをしながら今でも景観を維持されている棚田も、りんご畑も。今でも大切に受け継がれている、津金の歴史や風土を見ることが出来、大満足の吟行となりました。