百巓句会の名前の由来になった「茅ヶ岳」のご紹介を少し。


茅ヶ岳は日本百名山ではなく、山梨百名山にランクインしています。

▲金ヶ岳から見た茅ヶ岳

遠くに小さく富士山も見えますね!


茅ヶ岳は北杜市と甲斐市にまたがる休火山。日本百名山の深田久弥終焉の地ということで県内外でも人気の一座です。山梨の中で完結している山、という所が山梨県民としてはとても愛着が湧きます。

裾広の姿が八ヶ岳ににているので、ニセ八ヶ岳(にせやつ)の愛称でも親しまれています。

八ヶ岳の麓に住んでいると、どうしても八ヶ岳は絶対的なシンボルなので、八ヶ岳ありきの「ニセ八ヶ岳」の名称を、


茅ヶ岳自身は不服に思っているかもしれませんが…。知らない土地から見ると一瞬勘違いしてしまうのも分かるくらい似ています。


▲深田久弥終焉の地 石碑


茅ヶ岳が深田久弥終焉の地と初めて聞いた時は、「3000m級の山を幾つも踏破している久弥が1700mの茅ヶ岳で、なぜ…?」と不思議に思いましたが、頂上を目前にして脳卒中で倒れられたそう。

久弥は病気による急逝ではありますが、「登山は何m級だから安全、ということではない」という教訓として引き合いに出されていた記憶があります。

▲フシグロセンノウ

地方では絶滅危惧種にもなっていて、野生のものは珍しい山野草✨9月に登ったので、時期もぴったりでした!

季語だと仙翁花(せんのうげ)で詠んでも良いのか少し迷います…。フシグロセンノウとセンノウゲ、どちらも同じセンノウ科ですが、見た目は若干違います。



▲金ヶ岳へ向かう石門
すごいバランスで巨岩が重なって出来ている石の門。下を通っている時に何かの拍子に崩れたら助かりません。



▲トリカブト

秋の季語。猛毒植物ですが、山野草としてよくお目にかかります。花姿や色が美しいので、つい触れたくなりますが、全草に毒があるので触れないように。



▲ヤマアカガエル

春先の産卵時期にさかんに「キャラララッ」と鳴いている声を聞いたことはあっても、実物を見るのは初めて。目の後ろの茶色の線が可愛い。


▲ナデシコ

秋の七草の一つで、初秋の季語。和名は「撫でし子」から来ていて、私の中では子供を連想させる花。


ヤマアカガエルに遭遇したり、女岩からの急登にゼーゼーしたり、フシグロセンノウ発見に興奮したり。


ひとつの山でも、季節によって、またその日その日によって新しい出会いや喜びがあるのに、「名山」と言われる山が百もあるなんて!今後楽しみが尽きることはないようです。


深田久弥さんの「百の頂に百の喜びあり」、しみじみ良い言葉だなぁと思いました。


俳句も、今の現状で満足せず。一歩一歩、百の巓きを求めて歩いてみたいと思います。