水道民営化への誘導? | 撫塵は昨なれども、耳順催す

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残された人生を穏やかに暮らしたい。ささやかな願い。
しかし今は貧困層にいるので、そのためにはこの歳からでも
なんとか生活再建をしなければなりません。
そんな心身に不具合を抱えた中高年齢者の生活奮闘記です。

( 素材 by   フリー素材ドットコム )

 

 

 

 

長文にて恐縮です。

某公共放送のニュースサイトにおいて、
施設の老朽化や人口減少などにより経営が厳しい水道事業は、
20年後には5割値上げしなくてはならないから、
先送りすると傷が大きくなるのでいまから少しずつ値上げすべき。
また更新する施設も絞ぼるべき、
という記事を読みました。

とてもとても腹が立つ。

そもそもこの試算をした
自治体の水道経営の支援などを行う「EYJapan」などの研究グループ
ってどこの誰なんだ?インチキくさい。


国民の所得が下がっている現状で、インフラの料金を
上げるなどはその国民所得をさらに下落させる愚策です。
さらに更新する施設を絞る、とはあけすけに言えば、
現在は水道が通っている地域でも切り捨てることがありえる、
つまりは水道が通らない地域の存在を今後は容認する、ということです。

このプロセスの意味するところは発展途上国化です。

水道事業を民営化したらより早く進行します。
そもそもインフラを民営化する、という発想自体がおかしい。


水道事業のような固定費用が莫大にかかる産業は
経済学で費用逓減産業といいますがその説明は置いておいて、
景気が回復すれば収支はかなり改善されるはずです。

一例ですがわたしのような貧困層は入浴も節約しています。
回数もそうだし、湯船にお湯を張れなくてシャワーで済ませたりしています。

これがもし入浴ぐらい費用を気にしないで入れる所得になれば、
わたしだって毎日のように湯船につかりたい。
歳をとり、体のあちこちが痛んでいる今、切実に思います。

それだけ風呂に入れれば当然水道使用量は増え、支払う料金も増えます。
ざっと計算しても水道使用量は倍以上にはなります。

現在貧困層は六七人に1人と言われています。
さすがにわたしなどには試算のしようもありませんが、
それでもわたしを含めむこの層の人たちが毎日入浴できるようになるだけで、
水道事業の収支など相当違ってくると思います。

 

わたしは低所得家庭の子どもで、公営住宅住まいだったけれど、

昭和50年代はそんな家庭でもフロは自由に入れました。

 

周りを見ていてもおそらく同じだったと思います。

生活保護の友人もいたけれど「入浴券」が支給されていて

毎日のように銭湯に通っていたように見受けました。

 

現代の方がよほど貧しいのではないでしょうか。

 

 

ただ繰り返しますが、水道事業というインフラは本来、
収支つまり黒字赤字という考え方自体がおかしい。

なにもわたし個人の突飛な意見ではないのです。

わたしのように個人で僅かばかり学んだ程度ではなく、

世に数多いる大学の経済学部出身の方たちはよほど詳しいでしょうが、
経済学の基本で学ぶこの「費用逓減産業」においては、
「平均費用」を下回る損失額(赤字額)は政府の補助金によって賄う。
この価格水準ならば効率的な資源配分ができる、としています。
(この説明が一切ではないことは付言しておきます)

では補助金の財源はどうするのか?
金(ゴールド)や銀(シルバー)が「おカネ」の時代ではなく、
現代の日本は通貨の供給量(発行量)を

管理・調整できる、管理通貨制度の国です。
なので財源は国債で問題ありません。

どんどん落ちぶれていく、というか人為的に落ちぶれされていく、
わたしたちの社会ですが、水道さえも維持できなくなる、
さらには民営化して「ビジネス化」されて、国民の暮らしが
ますます貧しくされる政策には蟻のごとく微力でもわたしは抗います。