なぜ小麦を控えた方が良いのか【後編】
こんにちは。いしたにひとみです。なぜ小麦を控えた方が良いのかを引き続きお伝えしていきたいと思います。前回、ついついパンや焼き菓子などの小麦製品を食べたくなっていまうのは、小麦の成分がもたらす中毒症状だとお話しました。小麦を食べると、体内でモルヒネに似た物質が合成されます。小麦のたんぱく質であるグルテンが分解される途中で出来る「エキソルフィン」という物質です。(ちなみに牛乳に含まれるたんぱく質のカゼインからも同じ物質ができるそうです。)このエキソルフィンが脳内に作用して「幸せ感」をもたらし、繰り返し食べたくなったり、食欲も亢進させてしまい、さらに小麦製品を欲するようになります。脳や脊髄は体にとって、特に需要な部分なので必要な物質以外は、簡単に入れないようになっています。(これを血液脳髄液関門)といいますが、グルテンからできるエキソルフィンはこの関門をすり抜けてしまうのです。さらにグルテンは腸や粘膜に炎症を引き起こして、この関門自体を緩めてしまいます。関門をくぐり抜けたエキソルフィンが脳内に入ると、物質が作用するために細胞にくっ付くコンセントのような部分(受容体)と結合して、脳神経に作用し精神的な不安定さや神経の障害を引き起こします。エキソルフィンとくっつくコンセントのような部分は全身にあり、腸のそれにくっつくと腸の動きが抑制され便秘を引き起こすことがあります。小麦を食べるとで、リーキーガット症候群(腸漏れ)を引き起こしてしまします。私たちの腸は食べ物を消化・吸収する際に、必要なものだけを通し、不要なものを通さないように出来ているのですが、この機能が上手く機能しないようになってしまいます。小麦のグリアジンという物質が、腸の絨毛(無数の突起があり腸の表面積が大きくなり、より多くの栄養素を吸収する役割がある。)の細胞の結合を離してしまう作用がある物質の分泌を促してしまうのです。腸の透過性を上げる(体内に通すべきではない物質が取り込まれてしまう)ので、アレルギーや自己免疫疾患などが起きやすくなってしまいます。パンなどで起こる腸の透過性は、パンを食べるのを辞めて半年以上たってもまだ残っている場合があるので、注意が必要です。小麦製品は手軽に食べやすく、中毒性もあるため、なかなか辞めることが難しいかもしれませんが、朝食にトーストではなくおにぎりを選ぶ。外食では定食などの和食を選ぶ。小麦からご飯食にシフトしていきましょう。パンなどがもとになって出来た抗体が消えていく目安の期間が3週間と言われているそうです。(かなり重度な場合は半年ほど必要なケースもあるそうです。)まずは3週間辞めてみて、体感が変わると徐々に体も小麦製品を欲しなくなっていくと思います。私の実体験ですが、パンを久しぶりに食べると、お腹の張りや胃が重たい感じがしたり、痰が出やすくなる感じがします。小麦製品は常食するものではなく、嗜好品として楽しんだり、食べるときにはよく噛んで、少しでも消化が良くなるように心がけたり、小麦の消化をサポートするような、サプリ(グルテンダイジェスト)を取り入れたりするとよいのではないかと思います。【参考文献】内山葉子著「パンと牛乳は今すぐやめなさい!」マキノ出版