「地中探査・穴」
子供の頃、家の井戸を掘るのを見たことがある。
直径1m余の円形の、深さ8~10mの穴を作る作業である。スコップで土を掘り出して、深くなると地上の人が、綱に結んで降ろすモッコに井戸の中の人が堀土を盛り、地上の人が引き上げる。深さ10m位掘った辺りで地下水が湧き始める。水嵩が腰ぐらいになると作業が終わる。
掘り終えた人は地上から下げて貰う命綱を腰に結び付け、同時に下げて貰った縄梯子を使って地上に上がってくる。
湧き出る地下水は生活水である。この水を、最初の頃は滑車付きの釣瓶で汲み上げていたが、次には手漕ぎポンプを設置して使っていた。 その後、水道が付いて井戸は埋められた。
堀土はどのように処分されたのか、また一時的に(数年)を経た後の井戸を埋める土は何処から、どうして運んだのか? 当時、子供だった私には興味もなく、その辺の内容は分らない。
その時に私が想像したのは、①つは、掘った人が地上に上がり切る前に地震が揺って周りの土が崩壊する危険性である。これを防ぐにはステンレスのような強い鋼鉄製の、直径1m余の円形枠をはめ込む必要があるだろう。が、そんな物を設置するのは無理だろう。
(当時、地震が揺らずに済んでよかった。)
そして②つは、もっともっと掘り続けて500m~1000m、
10000mも掘り進めたらどんな状態が出現するだろうか、という事である。
インターネットで調べると、地下1000mの温度は40~45度である。これは人が大火傷をするか、焼死する危険がある。
また10000mは200度に達する。
(因みに地球の中心は900~1000度)
実際に掘られた世界一深い穴はロシア コラ半島の12262mの穴である。
続く