浜に捨ててあった角材の釘を踏みつけて怪我をするという、降ってわいたようなトラブルに見舞われたテ・カハの集落。
結局、助けてくれたティンの実家には4日間も居候させてもらった(*゚.゚)ゞ
自宅が別にあるティンは実家には居らず、ティンの親戚が食事の世話などしてくれた。
家にはティンのじいちゃんもいたが、この方は近くの海でとってきたウニを肴に一日中ビールをあおり、親戚たちをあきれさせていた![]()
怪我をしてから4日目に再びティンに病院に連れて行ってもらう。
マリオ先生
の診断を受けたところ処置が早かったのが幸いして、思いのほか治りが早いといわれ、それを聞いて安心した
。
マオリ先生から出発しても大丈夫とのお墨付きを頂き、ようやく旅が再開できる目処がたった。
病室を後にする際、マリオ先生は防水の絆創膏やら消毒液を沢山くれて、最後は優しく僕を抱きしめて別れを惜しんでくれた。思わず、こちらも涙がホロリとこぼれそうになってしまった![]()
この日も治療費の請求はなかった。
テ・カハ滞在5日目、ようやく旅を出発しようと思った矢先、ティンの実家にいたじいちゃんからビールを買うように強要された![]()
じいちゃん曰く、「我が家で世話になったんじゃから、当然じゃろ!」とのこと。
突然の事に、思わず唖然![]()
親切にした相手に対し、見返りを求めるのはマオリの社会では当たり前との事を、この旅を通して学んでいたので、しぶしぶ言うとおりにした。
しかし・・・世話を焼いてくれたのはティンや親せきのみんなだ。じいちゃんはただ酒を飲んでいただけじゃないか・・・なんだか腑に落ちない気持ちだった。
酒に酔ったじいちゃんが運転する車に乗せられ、近くの商店へ。
ビール2ダースをレジに持っていくと、「これもついでにいいか?」と、ちゃっかりタバコまでレジに差し出した。
あきれた表情でじいちゃんを見つつ、会計を済ませて車に乗り込む。
すると、さきほど「酒を買うのじゃ!」と高圧的だった態度が一変、上目遣いにこちらを見ながら、「もう君は家族の一員じゃ」とか「また、いつでも家に来ていいんじゃぞ」と、手のひらを返したような豹変ぶり![]()
これには、さすがに苦笑いをするしかなかった・・・
親戚に別れを告げて5日前に上陸したビーチへカヤックと荷物を運ぶ。
その時、車でやってきたティンと出くわした。
別れる前にちゃんと挨拶をしたかったので、最後に会えてほっとした。
彼に出会わなかったら、今でも途方に暮れていた事だろう。
心の底から感謝の気持ちを伝えた。
「旅の無事を祈っているよ。それから、旅を終えてたら必ずメールをしてね。」 そう言い残して彼は車で去って行った。
ティンと別れ、5日ぶりに海上に繰り出した。
時刻は10時半。じいちゃんとの買い物に付き合ったせいで、いつもより遅い出発となってしまった![]()
天気は曇り。風はなく海は穏やか。久しぶりのパドリングだったが順調に前進していった。
入り組んだ海岸線を進んでいく事6時間、目の前に北に向かって大きく突き出した岬が現れた。
ランナウェイ岬だ。
ニュージーランド・コーストガードが設定している海域エリアは国内沿岸海域を18のエリアに区分けしている。
今まではプレンティーエリア(Plenty)を通っていたのだ。そして、あの岬を過ぎると新たにポートランドエリア(Portland)に入る。
いよいよ、この国の最東端であるイーストケープが近付いてくるわけだ。
新たな海域突入を前に、思わず武者ぶるい。(;°皿°)
この日はランナウェイ岬の根元に広がるワンガパラオアという湾のビーチに上陸。
牧場の牛たちに見守られながら一晩を過ごした![]()
次の日は朝6時半に目が覚め、8時半には出発。
大きく北に突き出した岬を越えるために、山裾に沿って進路を北へ向ける。
最初は鏡のように静かな海面の上を滑るように進んでいった。
しかし、岬が近付くにつれて海は大きくうねりだし、カヤックは上下に揺れる。
こぶのようなうねりを一つ越えると、カヤックはガクッと波間に落ち込む。そしてすぐに、大きく持ち上げられる。この繰り返しだった。
予想外の荒波に気分が悪くなりそうだった![]()
やがて岬の先端が見えてきた。
案の上、岬付近の岩々には沖から流れてきたうねりが轟音を立ててぶつかり、激しい白波を立てていた![]()
陸に近づきすぎると波に巻き込まれて岩に打ち付けられる恐れがあるため、岬の先端は遠巻きに大きく迂回しながら越えようとした。
すると、今度は東から強烈な向かい風![]()
手を休めると途端に押し戻されてしまいそうになる。風に抗いながらパドルをこぎ続けた。
周りを見ると一艘の漁船が漁をしている。
しかし、うねりに遮られ、波間に見えたり隠れたりしていた。
「万が一、海に投げ出されても船がいるなら大丈夫だな」と、妙な安心を感じていた。
岬を越えると進路は北から東へ。
右手には海からそそり立った山々が、まるで巨人たちがスクラムを組んでいるかのように延々と続いている
波打ち際は浸食された崖になっており、上陸できそうな場所は見当たらない。
とにかく前進するしかなかった![]()
しばらく進むと、海面から顔を出す黒い物体の集団が遠くに見えた。
「なんだ、あれ?」
不審に思って見ていたら、呼吸音が聞こえてきた。
「イルカだ
」 思いがけない出会いで興奮し、急いでカメラを取り出す![]()
パシャパシャと何枚もシャッターを切ったが、彼らは遠くへ行ってしまった。
それでも、予期せぬ遭遇に嬉しくなり、沈みがちだった気分が上向いた![]()
イルカたちと別れてさらに前進を続ける
目の前にまた海に突き出た山が横たわる。
そのおかげもあってか、風は幾分和らいだ。
右手の陸地に奥まった湾が見える。何となく上陸できそうな浜もあったが、この日の目的地は先だったので、手早く昼食を摂ってからさらに進んだ。
しかし、岬を超えると再び激しい向かい風が吹きつけてきた![]()
抵抗を試みながらなんとか前進を続けようと頑張る!
しかし、風は衰えず、むしろ徐々に強くなってきた。
「こりゃ、かなわん
」 結局、風に阻まれてこれ以上の前進は無理と判断。
先程、遠くに見えた湾へ上陸することにした。
湾の奥へ逃げ込むと、先ほどとは打って変わって静か(・∀・)
周りを山に囲まれているおかげで、風は全く感じなかった。
砂利の浜に上がると2,3組のグループが思い思いにくつろいでいた。
陸に上がって周囲をチョット探検。
すると、「NO CAMPING!」の看板を発見してしまった・・・![]()
ニュージーランドは人口が少ないくせに国土の隅々まで私有地になってしまってる。
入植時代に一財産築こうと、我先にと土地を奪い取っていった結果だ。
どうしよう、この場所をあきらめるか。でも、他に行くところもないし・・・(  ̄っ ̄)
「怒られたら素直に謝ろう!」 そう割り切ってここで野営することにした。
野営の準備をしていたら一組の家族が声をかけてきた。
旅の事情を話したら、パンやらジュースやらを分けてくれる。
さらに、海でとったばかりのウニまで分けてくれた![]()
思いがけず高級食材をゲットすることができ、大興奮![]()
ちなみにニュージーランドではウニのことを「キナ」と言う。これ、マオリ語。
英語名は他にあるのだろうけど、この国では一般的な固有名詞になっている。
生きたウニを貰うのは初めてで、捌くのに勇気が要ったが食欲がそれに勝った![]()
ナイフでガリガリと皮を割って中身を取り出す。
この日の晩は豪華ウニラーメンに舌鼓を打ったのだった![]()
(労力の割に取れる身の部分が少ない。なぜウニが高価なのか分かった気がした・・・)







