出典: http://www.judaspriest.com/

 

Electric Eye (Judas Priest のアルバム「Screaming For Vengence」より)
作詞: Glenn Tipton, Rob Halford, K.K. Downing

"Up here in space, I'm looking down on you"
 上空からお前を見ている

"My lasers trace, everything you do"
 すべては筒抜けなんだ

"You think you've private lives, think nothing of the kind"
 お前は全ての行動が見られていることを知らないだろう

"There is no true escape I'm watching all the time"

 だがどこにいようが俺の目からは逃れられない

 

(ブリッジ)

"I'm made of metal"
 俺は休むことのない機械

"My circuits gleam"
 レンズの焦点を合わせ

"I am perpetual, I keep the country clean"

 確実に平和を維持するのだ

 

(コーラス) 

"I'm elected electric spy"
 俺は正義の守護者

"I'm protected electric eye"

 俺は正義の監視人

 

"Always in focus, you can't feel my stare"
 お前は俺の気配には気づかない

"I zoom into you, you don't know I'm there"
 俺が凝視していても気づかない

"I take a pride in probing all your secret moves"
 俺は自分の使命に誇りを持っているんだ

"My tearless retina takes pictures that can prove"

 俺の目は疲れることもなく事実を記録し続けている

 

(ブリッジ)

"I'm made of metal"
 俺は休むことのない機械

"My circuits gleam"
 レンズの焦点を合わせ

"I am perpetual, I keep the country clean"

 確実に平和を維持するのだ

 

(コーラス) 

"I'm elected electric spy"
 俺は正義の守護者

"I'm protected electric eye"

 俺は正義の監視人 

 

"Electric eye, in the sky"
 空に浮かぶ機械の目

"Feel my stare, always there"
 俺はすぐそこにいるんだ

"There's nothing you can do about it"
 お前になすすべはない

"Develop and expose"
 データは確実に処理をされ

"I feed upon your every thought, and so my power grows"

 そして俺はお前の行動を学習し成長していくんだ

 

(ブリッジ)

"I'm made of metal"
 俺は休むことのない機械

"My circuits gleam"
 レンズの焦点を合わせ

"I am perpetual, I keep the country clean"

 確実に平和を維持するのだ

 

(コーラス) 

"I'm elected electric spy"
 俺は正義の守護者

"I'm protected electric eye"

 俺は正義の監視人

 

"I'm elected electric spy"
 俺は正義の守護者

"I'm elected, protected, detective, electric eye"

 俺は選ばれた、完全無欠の監視人なのだ

 

 

Judas Priest の代表作アルバム「Screming For Vengence」の、イントロに続く最初の歌。

普通は一曲目のインスト「The Hellion」とセットで聴きます。

この曲はインストからの流れが格好良く、ジューダスプリーストらしくて私は大好きですが、いわゆるサビに当たる部分が地味なので、はじめて聴く人には、「この程度で神とかなんとか言われてんのか」と落胆されがちです。

 

このアルバムが出た1982年当時のイギリスの社会情勢はわかりませんし、作詞の三人がどの程度未来を予想したかはわかりませんが、この曲「電気の目」とは監視カメラやそれを含めた監視社会の意味だろうし、まさに2020年現在と、そしてこの先の未来についての歌詞であります。

 

現在は多くの日本人が監視カメラの増設に賛成なのではないでしょうか。

監視カメラそのものに犯罪を止める力はないですが、ある程度は抑止力につながっていると思われます。

事実、監視カメラの映像によって多くの犯罪と犯人が発覚しています。

また、最近ではドライブレコーダーによって、殺人未遂や、あるいは殺人そのものといってもよい危険運転も証拠として残るようになっています。

 

そしてさらに、私の勝手な解釈では、現代における「electric eye」とは監視カメラだけではなく、FacebookやTwitterやLineなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を含めたサイバー空間での監視の意味にも取れると思います。

現代において、サイバー空間は、陸海空宇宙と共に安全保障の領域のひとつになっていて、大学等でかなり研究もされています。

 

あるサイバーセキュリティー(ネット上での安全保障)のビデオで、客が喫茶店でコーヒーを頼むと、店員がすでに客の詳しい個人情報を知っているという動画がありました。

もちろんそれは啓蒙ビデオで多少はおおげさな部分もありますが、店の裏方ではパソコンを使っている別の店員がいて、客が入店した段階で顔認証から個人を特定します。

この客はいままでにネットで自分の趣味や意見を書いているわけで、それらの情報がすべて裏方の店員によって収集され、インカムで接客している店員に伝えられるというものです。

 

これは極端な例ではなく、現代においては十分にありえる話なのです。

しかも恐ろしいことに、これらの情報は政府が強制的に国民から収集したものではなく、国民自身が趣味や思想をネットにかきこんでいるわけです。

Facebookのザッカーバーグ氏は単なる大金持ちではなく、他の何者も手に入れられない、政府でさえ手に入れられない膨大な情報を持っている恐ろしい存在なのであります。

 

これらの情報は悪意を持って使えばある程度は人々を操ることもできます。

しかし、上手く使えばテロや犯罪の抑止や検挙にはつながるはずで、冒頭に書いたとおり多くの日本人や、あるいは中国人などの東アジア人はこのような監視システムを比較的受け入れやすいのかもしれませんね。

 

孫氏の兵法でおなじみの孫武とか孫臏 (そんぴん) が生きていたら、きっと electric eye についても研究しただろうね。