kazが「お腹が空いたな…」
と言い。
私も仕事終わりで慌てて小さなおにぎりを一つ押し込んだだけだったので、お腹が空いており。
レストランに入りました。
注文をして…
kazは、来月の仕事の話をし始めました。
職場で一般の人向けのイベントがあり、その担当係が先ほど発表されて、スマホに送られてきた、と。
私は話を聞きながら、
へぇ…
来月の話なんて、してくれるんだ…
そんなことを考えていました。
先ほどの「手を繋いでくれなかった事件」
が気になりすぎた私は、穏やかにkazに話しかけました。
「ねぇ…前回のデートの日は『辛くて冬と会えない』って言ってたのに、四日後の今日、会ってくれたのはどうして?」
kazはひと呼吸おいて、答えました。
「それは…申し訳なくて」
「申し訳ない…?会うのも辛い状態だったけど、頑張って今日は会ってくれたってこと?」
「うん…」
「kazの言う申し訳なさ、は前も言ってた旅行に行けない、とかそういうこと?」
「うん…」
「旅行はさ…そりゃ、行けたらいいよ?でもマストじゃない、って私は思ってるんだけど…」
彼は申し訳なさそうに、目を伏せている。
「ひょっとして…」
懸念していた感情を言葉にしました。
「今、彼女がいるのも辛い?」
kazは、ゆっくり答えました。
「うん。正直、ひとりになりたい」
この答えに、ひどく動揺した私は、答えていました。
「そっか。じゃあ別れよう?」
別れの言葉は、私から…でした。