家まであと少し。


あぁ、もう家に着いてしまう。

本当にお別れなんだ。

私は振り絞るように、彼に聞いた。


「私のこと…キライになっちゃった?」


「…好きだけど…」


この後に及んで、好きだと言ってくる彼。

本当にバカ正直だね。

嫌いになった、といえばすぐに別れられるのに。


「私は、kaz以外の人と、付き合ったりセックスしたりするの、イヤだよ…」


もう、車は家に着きそう。


「本当にもう、終わり?もう会えないの?」


「10月2日なら…」


「え?」


「10月2日なら、話ができる」


「え?会ってくれるの?どんな話をするの?」


「会うの、月に一回でいいなら…」


「え?続けてくれるの?」


彼が、腕で顔を押さえた。

目が赤く、滲んでるように見える。


泣いてるの?


まさか。


あくびした?疲れてそうだったもん。


車が、家の前に着いた。







彼は、号泣しだした。