窓の外を見ながら、胸がギューって苦しくなってるのを感じていた。
わかる、この感情。
嫉妬だ。
嫉妬しているのは、彼女とやり取りをしているから、じゃない。
彼女に優しいから、だ。
女性の娘さんが入院しそうだ、という。
確かにこのタイミングに伝えるのは、酷かもしれない。
女友達とLINEしようが、会おうが、多分妬いたりしない。自分だって楽器を通じた男友達はたくさんいる。
kazくんが、その女性に「優しくしてること」「思いやってること」
が嫌なんだ。
わかったら、涙が出そうになった。
私って、こんなことに嫉妬するんだ。
私以外の、
友人以外の「女性」に、
アプリで知り合った「女性」に、優しくしないで、って思ってるんだ。
そんな風に思うほど、
もう彼のことが好きになってるんだ。。。
彼は気づいていない。
音楽を聴きながら運転している。
これは…言わないとダメなヤツだ。
私が何が嫌で、何に不安に思うか、知ってもらわなきゃ、なヤツだ。
「kazくん…」
「ん?」
「私、妬いてる。胸が苦しい」
彼が驚いた様子でこっちを見る。
「私はやり取りしてる人には言ったよ。kazくんのそれは、優しさじゃないよ」
少なくとも「私にとっては」
「うん。今日伝えるよ。アプリもやめる」
「うん」
…言いたいことは言えた。
我慢したくない、って思ったことは、ちゃんと伝えられた。
話は楽しい話へ。
外の景色を見ながら、近づいてくる海に
「わぁー!!ほら!海が見えてきたよ!」
と気持ちも上がってくる。
でも…
なんだろう…
なんでか、しっくりしてない…
あ、わかった。私、
ごめんねが欲しいんだ。
面倒くさい女…