しばらくしてリビングに彼が帰ってきた。


姉は…帰ってこなかった。


姉のケーキが余ってしまったので、スタッフの方が気を利かせてラップとアルミホイルで包んでくださることになった。


それをSくんと待っていたとき…


「冬さん、ちょっといいですか?」

と、先程私を外に連れ出したスタッフの方が呼びに来た。


あ、はい!


と、その場はSくんに任せ、リビングから出た。


「お姉さんが、お連れの方がいらっしゃる前に冬さんとお話ししたい、っておっしゃってて。今荷物のある玄関にいらっしゃいます」


と言われたので、慌てて向かった。


玄関には、涙目の姉がしゃがみこんでいた。


冬ちゃん…私の財布、やられてたよ…


無気力無気力無気力無気力無気力無気力