電話を切り、駅へ向かう。
あー、ビデオ通話なんかしてたから、一本乗り過ごしちゃったじゃん
そうしてる間に、ムスキーからメッセージが来る。
私を見てどう思いましたか?
冬は写真より美しくて天使のようでした。
私のどこを好きになりましたか?
どこも好きになんてなっとらん
写真通りの方だな、って思いましたよ。
止まらないムスキー。
あなたがアプリをオンラインにしてるのを、私は見た。あなたは他の男性を探しますか?
もしそうだとしたら、私はあなたを尊重する。
答えはイエスかノーか?
何言っちゃってんのー!?この人
まださっきマッチしたばかりだよ?
オンラインだったのチェックして怒ってるー!
あんたのプロフィール見てただけだけど、
そうじゃないとしても怒る権利ないからー!
マッチングアプリって、そういうもんだからー!
付き合ってから、ならまだわかるけど、
本当に数時間前にマッチしただけで、この束縛ぶり…
末恐ろしい…
なぜ答えない?
いや、文章考えてる途中。
てか、もうコンサート会場に着く。
これ、変にこれ以上既読つけない方がいいな…
姉と落あい、事情を話す。
それ、返信しないでブロックでいいんじゃん?
そんなこと考えてる時間がもったいないよ。
ほら、もうコンサートはじまるよ?
確かに…と、座席に座る。
ぎゃーーー!!!
ムスキーからまたビデオ通話が来てるんだが
出ちゃダメ!無視無視!!
無視して、飛行機モードにする。
これ以上、コンサート中に電話がかかってきたら困る