早朝から出勤。


不思議と涙は出ない。


私の仕事は、利用者の方たちの支援の仕事。

個人的に何があっても、明るく振る舞わなくてはなりません。


合間に少しぼーっと、昨日の出来事を思い出す。


でもその直後に

「冬さーん、お願い」

と介助の声がかかる。


そのあとは不穏な様子があった方の共有報告、

目を離すと怪我をしてしまいそうな方もいる。

気が抜けない。


お昼ご飯は…さすがにほとんど喉を通りませんでした。。。


定時までひたすら動いて。


「お先に失礼しまーす」

と笑顔で外に出ると、小雨がぱらついていた。


傘はない。小雨だし、濡れながら帰ろう。


一歩、職場の外に出た瞬間、涙が溢れて来た。

気が緩んだ??


彼を唐突に失った悲しみ、

ぞんざいに扱われた悔しさ、

怒り…


いろんな感情が溢れ出す。


家の周りには、彼との思い出が多すぎる。


車で送ってもらった帰り際に、月明かりに紛れて彼と抱き合った路地裏…


「バレンタインのチョコレートだけ取りに来た」

と深夜に突然現れた彼と、お風呂上がりの部屋着のまま過ごした街角…


じゃあまたね、

またすぐ会いたくなっちゃうね、

と帰り際に名残惜しく毎回キスをした道…


そこを泣きながら通って帰って来た。

行きは全然気にならなかったのに。


家に着いて玄関のドアを閉め。

声をあげて初めて泣いた。


泣きたかったんだ、私。