夜が明けた。
外で鳥の鳴く声が聞こえる。
今日は年に一度の発表会。
一年の集大成を披露する大切な日に、何をしているんだ、私は…
もう寝ることは諦めて、体を起こす。
隣ではTくんが寝息をたてている。人の気も知らずに…
朝の6時。
まだまだ彼は起きなそう。
何かせずにいられなかった私は、寝ている彼へLINEを書いた。
もちろん読むのはずっと後になるだろう。
それでも、書かずにはいられなかった。
おはよう。
私は一睡も出来なかったよ。
私ってマジメで気にしいだから…考えすぎちゃうみたい。
Tくんにとって私って何?
お花見も、温泉旅行も、楽しくて嬉しくて仕方なかったのは、私1人だけだったのかな?
そう送信して、スマホを置く。
LINEでは、本音は書かずに我慢する。
伝えたいことは、直接伝える。
それが私のルール。
でも、今は直接は言えない。
きっと朝になって話をぶり返されるのは、彼は嫌なはず。
これでもう、別れる、って決意ができてるなら何でも言ったかもしれない。
でも、一晩考えたけど、彼と別れる考えまでには至らなかった。
このLINEの返信を…せめて待とう。
今日は、発表会と打ち上げのあと、もう一度Tくんの家に泊まりに来ることになっている。
LINEの返信次第では、そのまま帰るかもしれないな。
8時頃、やっとTくんが目を覚ました。
おもむろに、私の手を自分の股間に当てがう。
彼の朝のルーティン。
朝勃ちでイキリたったそれを、手で優しく触るとみるみる硬くなる。
昨日あんなにしたのに…
胸に手が伸びてきて、先端を摘まれる。
意図せず声が出てしまう。
それをきっかけにしたように、彼の愛撫が激しくなる。セックスに至るまでに、時間はかからなかった。
薄曇りの陽射しで明るくなった部屋。
大好きな彼の肩のタトゥーを眺めながら、彼に抱かれる。
一睡もしていない体で。
LINEを読んだら、どう思うのかなぁ…
そんなことを考えながら。