「今から会いに行っていい？」
平日夜10時半。
唐突に言われ、若干パニック。
「え？今から？今どこ？」
聞くと、仕事帰り、車でたまたま近くにいるらしい。
「せっかくだから、チョコ貰いに行こうかと思って！笑」
だって。
えーーー！わざわざ受け取りに来てくれるの？
週末お泊まりデートをしたばかりだけど…もう会いたくて仕方ない。
生理になっちゃったし、ひょっとしたら会えるのは生理が終わったあと？…なんてネガティブな事も考えていたから。
急に会えることになった知らせが、嬉しくて仕方なかった。
15分後、家の近くまでTくんが来てくれた。
私はお風呂あがりなので、部屋着にほぼすっぴん
普段はもっとおしゃれしてるから、すごく気恥ずかしい。
「はい」
持って来たチョコレートを、Tくんに渡す。
「ありがとう。一緒に食べる？」
うん、と頷く。
「…もっとオシャレして可愛い格好で渡したかったのにな（笑）」と言うと、私のすっぴんと洗いたての髪、部屋着を眺めて
「ラフな格好もすごくいいよ。可愛い」
と言ってくれた。キュン…。
ついでに言うと、バレンタイン本命チョコを「告白」と捉えて、私から告白するのもアリだなぁと思っていた。
セフレ以上、パートナー？という曖昧な言葉での関係な私たち。
好きです、って伝えて返事を聞くのはアリかも、と思っていた。
「チョコ渡す時…言おうと思ってたことあったのに…」
「え？なに？」
「好きだよ、って言って渡したかったの！」
結構な勇気で想いを伝える。すると。
「好きだよって？めちゃくちゃ知ってるよ、そんなこと（笑）」と笑われた
なんか、超絶恥ずかしい！！！
「えっ！バレてるの！？」
「バレてるよ。冬が俺に恋しちゃってること。」
はぁ。勇気を出して言ったのに。
「オレも好き」
そう言ってくれた。
けど、もっと重たい返事を期待してたんだけどな（笑）
こういったやり取りは、ずっとTくんの方が一枚上手だ。7つも年下なのに…
「ほんと？」
「本当だよ」
口付けを交わす。チョコレートの甘い香り。
「おいで。一緒に寝転がろ」
カーシートを広げて、2人で横になれるスペースに転がる。
いつもだと、人気のない場所でこのままイチャイチャが始まり、セックスになったりする。
でもこの日は、いつもより街灯のある道に面した場所。
「え、ここで？」
「だってちょっと寝転がるだけだし」
寝転がるだけ…
私が生理だからか。
イチャイチャが始まったら、どうなるんだろう。
生理でセックスするのは嫌。
てことは、まだしたことないけど口でイカせたり？？
いろんな妄想が押し寄せて来た。